研究課題
社会基盤構築をはじめとする大規模プロジェクトでは、人々の安心・安全を損ないかねないトラブル事例が多発している。それらの多くは、プロジェクト立ち上げ前の超上流段階におけるプロジェクト計画の不備に要因があるといわれる。本研究では、プロジェクトを成功に導くために、プロジェクト開始以前の超上流段階において質の高いプロジェクト計画を効率的に立案する手法の研究開発として、①超上流段階におけるプロジェクト計画立案手法、②超上流段階の進捗管理手法の研究開発を目的として実施した。最終年度である今年度は、超上流段階の要求仕様が含む情報の不確実性を前提としたプロジェクト計画の要件およびプロジェクト選定のあり方として、超上流段階におけるプロジェクト選定と見積りを取り上げ、昨年度検討・開発した数理モデルの拡張を行った。モデルでは、超上流段階へのリソース投入量によるコスト見積精度と利益などのプロジェクト成果との関係を統合的にモデル化した。開発したモデルを用いてシミュレーションアプローチによる研究を行い、期待利益を最大化するプロジェクト選定と見積り実施方法を提案した。さらに、見積りと受注に関する解析的な数理モデルを開発し、見積りに投入するリソース量と受注額、期待利益の関係を明らかにした。また、プロジェクト成否への影響が大きいプロジェクト立ち上げ時の遂行体制と契約方式の設計について、予備的な検討を行った。これらの研究成果は、Central European Journal of Operations Research誌、機関誌「横幹」、オペレーションズ・リサーチ誌、国際ロジスティクス学会(SOLE)、スケジューリング学会、情報処理学会、日本オペレーションズ・リサーチ学会、幹連合コンファレンスにて公表した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Oukan, Transdisciplinary Federation of Science and Technology
巻: 10 ページ: 47-56
Central European Journal of Operations Research
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1007/s10100-016-0438-7
オペレーションズ・リサーチ
巻: 60 ページ: 380-385
巻: 60 ページ: 369-373
http://open.shonan.bunkyo.ac.jp/~ishii/new/index.html