研究実績の概要 |
本研究課題はネットワーク構造で表現されるシステムの設計問題に注目し,現代社会で起こり得る複雑な意思決定・最適化をより的確に説明できる多目的ネットワークの最適化問題に注目し,a)「ネットワークの構造」と「信頼度,流量,及び距離等によるエッジとノードの性能評価基準」とパレート最適解の存在密度との関係を明らかにし,b)最短距離(最短経路)・最大流量・k 点間信頼度などを複数の目的関数とした場合のパレート最適解の統一的な算出方法を提案することで多目的ネットワークの厳密なパレート最適解算出の効率化を図り,大規模な多目的ネットワークの設計評価,及び,新たな近似解法提案への一助となる手法の確立を目的とする. 最終年度であった平成27年度は,④多目的ネットワークの最短経路・最大流探索アルゴリズムの再考した結果と,⑥最短経路・最大流算出問題の有効な解の探索空間の制限方法の提案から探索領域制限方法の有効性を評価した結果を踏まえ,⑦k点間を連結する多目的ネットワークの最短経路・最大流算出問題への拡張,及び,これまでの結果を総括して⑧多目的ネットワークのパレート最適解のための統一的な算出方法を検討した.また② k 点間信頼度算出方法をはじめとするネットワークの信頼度算出方法の効率化と⑤ k 点間信頼度を考慮した場合の有効な解の探索空間の制限方法を検討した過程の成果を応用し,ネットワークの特別な場合である Consecutive-k システムの最適配置問題に関する考察と,多次元に拡張したシステムの信頼度算出方法の効率化を図る方法の改善を行った.この成果を論文4本,海外発表6件,国内発表6件にまとめた.(丸番号は申請時の研究計画に基づく)
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