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2016 年度 実績報告書

公的年金の経済変動に対するリスク管理

研究課題

研究課題/領域番号 25350461
研究機関法政大学

研究代表者

浦谷 規  法政大学, 理工学部, 教授 (80126268)

研究分担者 小沢 正典  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (50152484) [辞退]
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード個人年金保険 / 年金パズル / ポートフォリオ最適化 / 長寿リスク / 公的年金制度
研究実績の概要

本研究は謂わゆる「年金パズル」として知られる個人年金保険の需要減少の現象を理論的に解明しようとしたもである。
経済理論におけるライフサイクル仮説からは年金パズルは説明できない。さらに確率制御から生存中の破産確率が最小となる
ポートフォリオを求めると、最適解には個人年金保険が含まれない。個人年金保険は長寿リスクを減少させる最適ポートフォリオに含まれないことから、年金パズルが理論的に説明されるとBayraktar and Youngは説明した。我々のモデルでも明らかになる年金パズルの原因は、時間の経過により死亡確率が増加し年金価格が減少するために年金の購入はその時点が遅くなればなるほど価格が下がるというデフレ現象があり、年金の最適購入時刻が存在しないことから説明される。
以上の理論は長寿リスクに年金保険が有効でないとしているが、その前提には個人の借り入れを含まないとしている。本研究では、借入に対する制約をしない効用最大化問題を安全利子率と借入金利のリスクプレミアムを含めて解析した。さらに、強制加入の社会保険としての公的年金制度の制度的分析と理論的解析を行った。公的年金制度の長期モデルは最適ポートフォリオを線形計画法で求めるモデルも構築した。また、そのリスク管理にはオプション理論を用いた目標年次の所得代替率を確保するポートフォリオ戦略モデルの構築及びシミュレーションを行った。シミュレーションでは100年安心とする100年後までの所得代替率を50%以上にする政策は経済シナリオに依存し明確な政策的指針が明らかにならない欠点がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 年金積立運用ポートフォリオのスライド調整の影響2016

    • 著者名/発表者名
      浦谷規 小澤正典
    • 雑誌名

      JARIP会報

      巻: 3 ページ: 145 154

  • [雑誌論文] A binomial model for portfolio insurance with transaction costs2016

    • 著者名/発表者名
      浦谷規 金銅孝明 寺井健太
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録 ファイナンスの数理解析とその応用

      巻: 1983 ページ: 8 21

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 年金保険のリスク管理2016

    • 著者名/発表者名
      浦谷規
    • 学会等名
      ファイナンスの数理解析とその応用 京都大学数理解析研究所研究集会
    • 発表場所
      京都大学(京都府京都市)
    • 年月日
      2016-11-28 – 2016-11-30
    • 招待講演
  • [学会発表] Longevity swaps を用いた年金の長寿リスク管理モデル2016

    • 著者名/発表者名
      上沼大介 浦谷規
    • 学会等名
      オペレーションズ・リサーチ学会2016年秋期研究発表会
    • 発表場所
      山形大学(山形県山形市)
    • 年月日
      2016-09-15 – 2016-09-17

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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