研究課題
近年、日本においても外国人観光客が増加し、改めて医療ツーリズムが注目されるようになった。平成22-23年度に実施した挑戦的萌芽研究「医療観光に関する医学および社会科学・地域研究の視点からの学際研究」では、研究対象の医療観光受け入れ国での医療機関の調査、医療行政と医師会関係者に対するヒアリングを通じて、ネットワーク作りを行った。後継研究にあたる本研究では、従来からの注目国である、インド、中国、韓国、タイ、マレーシアに加えて、さらに、アラブ諸国にも対象を広げた。また、2014年7月18日(金) 〜 7月19日(土)にかけて立教大学 新座キャンパス 7号館 アカデミックホールで「アジア諸国における医療ツーリズム:現状とその課題」を行い、海外の専門家との意見交換を行った。以上のことから、下記が明らかにされた。医療産業の急速な市場化により、医療トラベル/ツーリズム対象者は富裕層のみならず中間層にまで拡大してきた。国境を越えて移動する彼らは、医療のグローバル化を促進するアクターとなっている。これに伴って医師や看護師など医療専門職人材のグローバルな移動も加速、複雑化している。医療輸出国(患者受入国)と医療輸入国(患者送出国)のそれぞれの社会保障制度、医療政策、そして医療・健康サービスの変化が起きている。医療トラベル/ツーリズム国家と市場との役割の変化の視点から社会保障の補完としての社会システムとなりえる要素を秘めていることが明らかにされた。
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病院
巻: 7月号 ページ: 28-32
新医療
巻: 9月号 ページ: 65-69
Mobilities
巻: 10(4) ページ: 609-627