研究協力者佐々木祐介氏と複合施設、給食センターの配置などの新しい重要なモデルを考え、その成果を発表した。その際この課題の大きな特徴である不確実・不確定性、障害物の存在もモデルに取りいれた。これらのモデルでは迂回する必要性があるかないかという可視性の考え方が必要であるが、関連するネットワークモデルを構成しその最短路の効率的計算を利用して候補地と需要地の距離を計算する方法を用いて、最適あるいは非劣配置場所を求めた。すべての条件に見合う最適な場所は通常は存在しないので施設設置者にとってその中で”比較的よい”場所の情報を提供できる。そして、一部は論文として公表した。また、次のステップとして同時に配置する施設を3つにして、より一般的に様々な施設を同時に時には複合的に配置する研究の基礎を築くことができた。候補地についてもより現実的に配置可能な場所についてもブロックごとに分かれていて、その建設費用も加味したモデルへの拡張も試みている。 さらにはヘルスケア施設など、その維持も考えた配置が重要な施設についても考え始めていてこれらの施設の研究の嚆矢となった。研究協力者の神戸学院大学毛利進太郎教授(4月に教授に昇進)と従来から進めているAEDの最適配置はこの一環であり、この意味で続いて採択された研究課題へと研究がつながっていくことになった。特にAEDのような移動可能な”施設”の考察は施設配置の新しい展開である。
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