研究課題/領域番号 |
25350477
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
タン ジュークイ 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40363395)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 安全情報 / 環境・空間動態解析 / 自己装着カメラ / 特有情報 |
研究実績の概要 |
H26年度は,自己装着カメラを用いて周囲環境を撮影し,得られた映像から(1)特定移動物体(バス),(2)移動物体(周囲の歩行者)と移動物体の特有情報を抽出する手法を開発した.また,(3)静止物体(歩行者用信号機と横断歩道標識)を検出する手法を開発した.以下に成果をまとめる. (1)では,共起特徴に基づくHOG特徴量を用いて移動物体候補領域の特徴量を算出し,Randomized treeを用いて特定移動物体の検出を行う手法を開発した.(2)では,HOG特徴量及びReal AdaBoostを用いて移動物体の検出を行う手法を開発した.また取得した各移動物体からLK追跡器を用いて動きベクトルを抽出し,動きベクトルの平均方向を歩行者の移動方向として算出し,フレーム間のユークリッド距離と色情報により同一人物を認識する手法を開発した.(3)では,検出対象が左右対称な形状であることから,左右対称な位置から勾配方向ヒストグラムを取得し,それらを組み合わせたものを特徴量として信号機・標識を検出する手法と,色相情報を用いて信号の色判別を行う手法を開発した. 実環境において,手法の検証を行った.(1)では異なる環境及び天候により10種の映像,計1762フレームを用いて検証を行った.移動物体候補(移動車両)及びその中の特定移動物体(バス)の平均検出率はそれぞれ94.5%と80%となった.(2)では,異なる状況において4種の映像,計1413フレームを用いて周囲人物の検出,及び特有情報である同一人物の認識,人物の歩行方向の認識を行い,平均検出率と認識率はそれぞれ72.6.%,93.3%,48.6%という結果が得られた.(3)では,1570フレームを用いて歩行者信号機と信号の色の認識,横断歩道標識の検出実験を行い,それぞれ平均認識率90.4%,100%,98.5%という結果が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,日常生活の中で利用者(視覚障害者)が目的地へ移動するのを支援する手段として,(1)共起特徴に基づくHOG特徴量を用いて特定移動物体(バス)を検出する手法,(2)周囲歩行者を検出する手法,および周囲歩行者の特有情報である同一人物を認識する手法,歩行者の進行方向を検出する手法,(3)歩行者用信号機と信号の色,および横断歩道標識を認識する手法をそれぞれ開発し,その有効性を複数の実環境映像により確認したため.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は,今後次の点を中心に研究を行う. ・静止物体(歩行者用信号機・標識等)の認識精度および処理速度の向上 ・特定移動物体(バス・タクシー等)と移動物体(周囲歩行者)の認識精度の向上及び処理速度の改善 ・研究成果は国際会議や展示会で発表する.
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