研究課題
H27年度は,自己視点映像を用いて,1)移動物体(周囲の歩行者とその特有情報),2)特定移動物体(タクシー),3)静止物体(歩行者用横断信号機と歩道標識)の検出法の改善を図り,その有効性の検証を行った.1)では,凸型HOG特徴量の算出により,歩行者の頭部を検出する手法を開発した.これにより,昨年度開発した歩行者の特有情報(歩行者数,同一歩行者の追跡,歩行者の進行方向)に加えて歩行者の身長及び大人・子供の情報の検出が可能となり,計5種類の特有情報を獲得する手法に改善された. 2)では,逐次背景推定法を用いて前景物体を抽出し,得られた前景物体から物体の縦横エッジ比と色の輝度比の算出によるタクシーの検出法を開発し,夜間でもタクシーの検出が可能になった.3)では,歩行者用横断信号機及び歩道標識の勾配方向の4分割化により,対象の傾きに頑健な検出法を開発した.これにより検出精度が向上した.異なる実歩行環境と天候・時間帯において,開発した手法の検証を行った.1)では11種類の映像,計1688フレームを用いて検証を行った.ここで,歩行者検出率の算出では,各フレームで歩行者候補の再現率及び適合率が共に0.5を超える場合のみ歩行者が検出されたとする.映像上の歩行者総数(延べ3247名)に対し,歩行者数の検出率,同一歩行者の追跡率,歩行者の進行方向の検出率,歩行者の身長の検出誤差,大人・子供の判定率はそれぞれ平均60.5%,88.9%,64.0%,15.5cm,89.0%となった.2)では6種類の映像(昼間311フレーム,夜間177フレーム)を用いてタクシーの検出を行い,それぞれ平均90.5%,84.8.% の検出率が得られた. 3)では,7種類の映像,計2130フレームを用いて歩行者用横断信号機と歩道標識の検出を行い,それぞれ平均84.2%,98.4%という結果が得られた.
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 8件) 備考 (1件)
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http://lab.cntl.kyutech.ac.jp/~etheltan/