研究課題/領域番号 |
25350510
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
森 正壽 近畿大学, 工学部, 教授 (50159191)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | XバンドMPデータ / GIS / 降雨量画像 / グーグルアース |
研究実績の概要 |
国土交通省から提供されたXバンドMPレーダデータを使い、降雨量画像表示システムを作成した。雨量情報を自治体の防災情報への活用として地理情報システム(GIS)を使用し、予測される災害の発生地点、被害の拡大範囲及び被害程度、さらには避難経路、避難場所などに活用できる情報をWebGISやオープンソースソフトウェアGIS等を使用してGISシステムを構築した。 今回のXバンドMPレーダの利用については、日本気象協会のWEBサイトの例のように即時性を目的とする場合は良いが、これでは浸水領域などが分からず利用が制限されることになる。若干手間はかかるが、Google EarthやGoogle Mapを利用することで、防災や早期避難につながる可能性が高まると期待される。 今回のシステムは、アメダスによる雨量データの単なる表示にとどまらず、蓄積雨量(積分量)を計算し、過去数時間から数日の蓄積量から地滑りや土砂災害の防止・避難に結びつけるものである。同様にXバンドMPレーダの場合も、単に降雨状況の表示では有効性に乏しく、過去数時間の蓄積雨量を計算し、氾濫水の解析により、洪水の状況や将来予測を行うものである。 以上の実績を、2014年度において地理情報学会(中部大学)「XバンドMPレーダ雨量データの防災情報への応用」及び、情報処理学会(京都大学)「高精度な数値標高モデルを使用した洪水情報に関する水文解析」として各々発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の通り、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
蓄積雨量画像、浸水領域・浸水深が予測できるようになった段階で、「平成24年7月九州北部豪雨」で甚大な被害を受けた、地元に近い九州北部での実地検証を行う。被害が発生した7月11日~14日においては、すでにXバンドMPレーダデータは取得済みであり、完成したプログラムで、状況を再現し現地調査との比較検証を行う。特に福岡県柳川市矢部川の堤防の広範囲での決壊は、集中的に検証行う予定である。
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