研究実績の概要 |
国士交通省から提供されたXバンドMPレーダデータを使い、降雨量画像表示システムを作成した。雨量情報を自治体の防災情報への活用として地理情報システム(GIS)を使用し、予測される災害の発生地点、被害の拡大範囲及び被害程度、さらには避難経路、避難場所などに活用できる情報をWebGISやオープンソースソフトウェアGIS等を使用してGISシステムを構築した。 今回のXバンドMPレーダの利用については、日本気象協会のWEBサイトの例のように即時性を目的とする場合は良いが、これでは浸水領域などが分からず利用が制限されることになる。若干手間はかかるが、GoogleEarthやGoogleMapを利用することで、防災や早期避難につながる可能性が高まると期待される。 今回のシステムは、アメダスによる雨量データの単なる表示にとどまらず、蓄積雨量(積分量)を計算し、過去数時間から数日の蓄積量から地滑りや土砂災害の防止・避難に結びつけるものである。同様にXバンドMPレーダの場合も、単に降雨状況の表示では有効性に乏しく、過去数時間の蓄積雨量を計算し、氾濫水の解析により、洪水の状況や将来予測を行うものである。 以上の実績を、2015年度において地理情報システム学会(慶応大学)「X-band MP雨量情報を使用した降雨解析(2014年8月19日広島県)」、情報処理学会(慶応大学)「X-band MPレーダ雨量情報による平成26年広島豪雨災害解析」及び、論文「Hydrologic analysis of a flood based on a new Digital Elevation Model」The International Archives of the Photogrammetry, Remote Sensing and Spatial Information Sciences, Volume XL-7/W4で公表している。
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