研究課題
本研究では,物質表面のマイクロメーターからナノメーター領域の微細周期構造を設けることが,超撥水性・超親水性といった濡れ性の制御に有効であることに着目している。そこで,分子識別素子の流路機構設計や,信号変換素子の洗浄機構に取り入れ,バイオセンサの流体制御技術を構築することを目的とした。本年度は,遠心流体弁への微細周期構造の付与と,試作したイムノセンサの総合評価を行った。コルチゾールバイオセンサの迅速・高感度化ディスク・チップは,中央に固定穴を設けたディスク形状とし,同心円状に2ないし4つのセンサを配置することで,1枚で複数の同時分析を可能とした。1つの分析部は,緩衝液槽,サンプル・コンジュゲート槽,基質槽,反応槽,廃液槽を,微細流路で繋いだ構造である。サンプル・コンジュゲート槽には,酵素標識抗コルチゾール抗体を固相化したパッドを,基質槽には蛍光基質をそれぞれ導入した。流路に3種類の微細周期構造を付与し,模擬唾液 (2 g/L),模擬血液 (80 g/L) 溶液を用いて流体弁の機能を比較した。ピッチ48ミクロンの並行型微細周期構造することによって,移動サンプル量が20%向上し,タンパク濃度が高くなるほどその効果が顕著になった。以上により,コルチゾール濃度 0.4 - 11.3 ng/mL の範囲を相関係数 0.92,CV値38.7%で自動分析できるセンサシステムの開発を完了した。また,本年度の成果としては,国内外の雑誌論文4編,学会発表3件,特許取得1件等であった。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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