本研究では,微細周期構造を分子識別素子や信号変換素子に採用し,バイオセンサの流体制御技術を構築することを目的として,遠心流体弁の考案・試作,微細周期構造の付与と,試作したイムノセンサの総合評価を行った。まず,複数の槽を微細流路で繋いだ流体制御機構を有するディスク・チップを試作した。流路に3種類の微細周期構造を付与し,模擬唾液と模擬血液溶液を用いて流体弁の機能を比較した。ピッチ48ミクロンの並行型微細周期構造することによって,移動サンプル量が20%向上し,タンパク濃度が高くなるほどその効果が顕著になった。以上により,コルチゾール濃度を高感度に自動分析できるセンサシステムの開発を完了した。
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