研究課題/領域番号 |
25350519
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
渡部 裕輝 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (00333328)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | OCT / GPU / 卵巣機能 |
研究実績の概要 |
本研究では,生殖分野における卵巣機能の新しい早期診断法として,卵巣に存在する初期発達段階の卵胞の形態変化を観察するため,高分解能・光干渉断層計(OCT)システムを開発する.さらに安価なGPU(Graphics Processing Unit)を用いた超高速画像処理を開発し,形態の断面構造だけでなく,生命を司る卵母細胞の動きから得られる機能情報のリアルタイム表示を実現することによって,卵巣機能を「生きたままで」診断できる画期的な解析技術を開発する. 本年度は,卵母細胞の小さい動きを可視化するため,OCT画像のモード(強度,振幅,対数)を変えてcorrelation mapping OCT (cmOCT),speckle variance OCT (svOCT), Squared differential image(SDI)のアルゴリズムの評価を行った.強度モードでSDIを計算したほうが最もコントラストが高いことがわかった.またこれらの処理をGPUに実装し,さらにフレーム間のジッターの影響を軽減する方法もGPU処理に実装してもデータ取得時間より短い時間で処理が終えることを確認し,リアルタイム表示が可能であることがわかった.これにより卵巣内の卵母細胞の3次元分布を可視化することに成功した.また前年度開発した1310nm波長帯OCTシステムにおいて,より高い深さ方向分解能を得るため,これまでより広帯域な超広帯域光源を導入した.分解能を評価した結果と15umであった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
卵巣内の卵子のわずかな動きをコントラストよく可視化するアルゴリズムがGPU上で正しく動作するプログラムを開発でき,卵巣内の卵母細胞の3次元分布を可視化することができたことから,おおむね順調であるといえる.
|
今後の研究の推進方策 |
構築したOCTシステムにおいて,これまでより広帯域光源を導入したが深さ方向分解能は,理論値より劣る値であった.そこで今後は計測系の改良と開発中の計算による数値的な補償のGPUプログラムにより,分解能向上を図る.
|
次年度使用額が生じた理由 |
システムの改良に必要な光学部品などの物品を購入するには,少額であったため
|
次年度使用額の使用計画 |
翌年度分と合わせて,物品を購入し,システムの改良を行う予定である.
|