研究実績の概要 |
本研究では、H25年度からH28年度にわたって、ディジタル変調波(BPSK)の周波数スペクトルを考慮した成人頭部数値モデルを使用した詳細な解析、電子レンジの漏洩電磁波の電界強度の測定結果を用い妊娠女性に対する漏洩電磁波曝露の詳細解析、妊婦および胎児の電磁波吸収率の周波数依存に関する詳細解析などを行い、研究成果を国際学会PIERS(Progress In Electromagnetics Research Symposium)2014、2017、国内学会電子情報通信学会2015年にて発表しました。本研究を通して、同じ電界強度を持つ異なる周波数の電磁波について、胎児へ到達電界強度は周波数に大きく依存することが明らかとなりました。胎児のエネルギー 吸収率のピークは1.2~1.5GHz付近でした。また、同じ周波数の電磁波においては、男女における吸収率が異なることも明らかにしました。また、電子レンジについて、正面で最大電界強度は側面より強く7.3282[V/m]となり、人体の電磁波吸収率も高いことが分かりました。 H29年度は、妊娠女性モデルに対して、入射する電磁波の種類を正弦波,BPSK(binary phase shift keying)信号,QPSK(quadrature phase shift keying)信号の三種類とし、周波を1GHzから6GHzまでとし、計算解析を行った結果、BPSK 信号については、胎児脳内の電界, エネルギー吸収率が他の 2 つに比べて15dBぐらい高いことが分かりました。よって、BPSK 信号より QPSK 信号の方が人体への影響は遥かに少ないことが明らかになりました。
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