本研究では、OCTによる発汗量の定量測定法を用いて、発汗異常症患者と健常者の汗腺構造の違いを評価する基礎データを蓄積した。実験では、中心波長1.325ミクロンで光軸方向の分解能12ミクロンの光周波数掃引型OCT(SS-OCT)を用いた。指先指紋部の鉛直断面OCT(en face OCT)を構築して、エクリン汗腺に関心領域を設定した。我々は連結抽出処理と適応しきい値法によって、関心のあるエクリン汗腺のみを抽出する手法を考案した。手掌多汗症患者と健常者の汗腺を比較では、平均導管半径において14ミクロン付近に境界があり、多汗症患者の汗腺の構造は太く発達していることが明らかになった。
|