研究課題/領域番号 |
25350534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
上田 徹 大分大学, 医学部, 講師 (90315333)
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研究分担者 |
小林 正 大分大学, 工学部, 名誉教授 (30100936)
大賀 恭 大分大学, 工学部, 教授 (60252508)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 電磁ホーン型ESR装置 / 冷却装置付き3次元MRIコイル / 新規スピンラベル剤 / ファントム試料の画像化 |
研究概要 |
生体内のフリーラジカルの分布領域を画像化することは、酸化ストレス由来の疾患の診断や創薬における酸化能評価において有用である。本研究では、ESRイメージングの解像度の向上を求めて、電磁ホーン型ESR装置に冷却装置付き3次元MRIコイルを組み込み、腫瘍増殖時細胞膜形成に必要な代謝物質やエネルギー代謝関連物質にラジカル分子を付加(スピンラベル剤の作製)したものを造影剤として用い、予め脳内に定位的に植え込まれた悪性脳腫瘍のESRイメージングを行う。 ① 新規スピンラベル剤の作成 本研究では、腫瘍増殖時細胞膜形成に必要な代謝物質のスピンラベル化に加え、エネルギー代謝関連物質にラジカル分子を付加することに成功した。 ② 冷却装置付き3次元MRIコイルの試作 2電流電源Zupancic型コイルとアンチヘルムホルツコイルを組み合わせた3次元MRIコイルに冷却用パイプを巻き込んだものを試作した。既存のK-band電磁ホーン型ESR装置に同コイルを組み込み、小動物用の固定筒に3次元構造のファントム試料(2本の石英ガラス管に詰められたDPPH)を入れ、ESR計測を行った。ファントム試料のESR信号は計測できたが、コイル内で安定した磁場勾配が得られなかったためか、余分な小信号も同時に計測された。今後、有限要素法を用い余分な信号を消去し、ファントム試料の画像化を試みる。また、冷却装置が付いてない3次元MRIコイルによる画像と比較検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
冷却装置付き3次元MRIコイルの設計および試作に時間を要した。ファントム試料を使ったESRイメージングの検討が十分に出来てない。
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今後の研究の推進方策 |
鮮明なファントム試料のESRイメージングが困難な場合、3次元MRIコイルを一部改良する。その後、上述した2種類のスピンラベル剤を造影剤として用い、脳内に定位的に埋め込んだ悪性脳腫瘍と頭部皮下に埋め込んだ悪性脳腫瘍のESRイメージングを各々行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
冷却装置付き3次元MRIコイルの費用が少なく済んだ。 明瞭なESRイメージングを行うために、3次元MRIコイルは改良の余地がある。
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