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2015 年度 実施状況報告書

線量制御可能な体内挿入式微小X線源のための柔軟イオンビーム輸送管の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25350545
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

小島 隆夫  国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 専任研究員 (90211896)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード絶縁体細管 / イオンビームガイド / ガイド効果
研究実績の概要

これまで実験を行ってきた理化学研究所内の低速多価イオン実験施設が施設側の都合で年度の始めに停止したため、実験装置一式を代替施設(首都大学東京の低速多価イオン実験施設)へ移すことになり、本年度はまずそのための諸作業に時間を充てた。首都大学の担当者の協力を得て新たなビームラインを設計・発注するとともに、理化学研究所の装置一式を解体し、首都大学へ移送。ビームラインならびに実験装置の組立・調整と計測系の再構築を行った。理研の施設と首都大学の施設とでは、多価イオンビームの性質が若干異なるので、念のためガラス直管のビームガイド効果をいくつかの条件で再測定し、理研での実験結果が再現することを確認した。
並行して、当初計画に従い、柔軟素材の絶縁体細管のビームガイド試験の準備を進めた。前年度までの研究により、ガラス系素材が他の絶縁体素材より格段にビームガイド効果が高いことがわかっているので、内壁表面にガラス微粒子をコーティングしたテフロン管や中空ガラス繊維などの購入(もしくは特注での制作)を検討し、業者との交渉を進めている。
また、柔軟細管のビームガイド試験の手始めに、いくつかの曲率で固定したテフロン細管(長さ 50~70 mm、内径/外径= 1/2 mm、S字のものを含む)でのガイド実験を試みた。片側にのみ曲げたもの(曲率半径 100~270 mm)では十数~数十%の輸送効率が観測されたが、S字に曲げたもの(曲率半径 75~150 mm)の場合、これまでに試したビーム条件下では、いずれの曲率でも安定したビーム輸送を観測できなかった。ガラス系柔軟細管の入手が待たれる。
なお、並行して前年度にやり残した材質の異なる絶縁体細管(直管)のビームガイド効果の系統測定を継続した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

実験研究を進めていた理化学研究所内の低速多価イオン施設が平成27年4月に停止・廃止になり、研究継続のために実験装置一式を首都大学東京の低速多価イオン施設に移設した。本年度は移設のための諸作業(移設交渉、現行装置の解体・移送、移設先での新たなビームライン設計・制作、実験計測システムの再構築、各種手続き等々)に時間と労力の多くを費やしたため。

今後の研究の推進方策

曲率を固定した絶縁体曲管のガイド特性(輸送効率・安定性など)の系統測定(ビームエネルギー/強度/価数依存性、輸送できる曲率限界の見極め、等々)を行い、最も成績の良い素材を用いて 10 cm を超える長い柔軟曲管でのビーム輸送を試み、曲げる角度に対する長さと曲率の妥協点などの知見を得ることを目指し、できる限り当初計画に追いつくように努める。

次年度使用額が生じた理由

現行の多価イオン施設が施設側の事情で使用できなくなり、実験継続のため、装置を別施設へ移設する作業に多くの時間と労力を費やした。そのため研究遂行が大幅に遅れ、本年度に購入予定だった機器や消耗品を購入できず、残額が生じた。

次年度使用額の使用計画

曲管によるビーム輸送特性(ガイディング効果)の系統測定を準備し、必要な機器・物品を順次手配・発注して、できるだけ当初計画に追いつくようにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Ion guiding in curved glass capillaries2015

    • 著者名/発表者名
      Takao M. Kojima, Tokihiro Ikeda, Yasuyuki Kanai, Yasunori Yamazaki
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B

      巻: 354 ページ: 16-19

    • DOI

      doi:10.1016/j.nimb.2014.11.031

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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