大型放射光施設SPring-8の高輝度放射光を使い、ラットの冠状動脈造影で、ヒトの造影像での解剖学的構造に迫る血管構築が画像化され、多くの前臨床研究に使われている。この次の段階として、遺伝子組換えにより各種の病態モデルが作製できるマウスの冠状動脈の画像化へ進んだ。ラットに比べて小さく心拍数が多いマウスでの冠状動脈撮影のため、X線ミラーにより高輝度な準単色X線を生成し、さらにサブミリ秒でのX線露光が可能なX線シャッターを開発して、従来装置に比べ一桁短いサブミリ秒での高速撮影を可能とした。そして、これを使った各種の病態モデルマウスでの実験により、薬効評価や病気の解明の高精度化が実現できるであろう。
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