研究課題/領域番号 |
25350570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
大塚 彰 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (50280194)
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研究分担者 |
島谷 康司 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (00433384)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 低出生体重児 / 自発運動 / マーカーレス / 動画像解析 |
研究概要 |
Prechtlが考案した乳幼児期までの,数秒から数分間続く全身を含む粗大運動評価が一般的に用いられている.乳幼児までの自発運動(General Movements;以下GMs)は神経回路網の発達を反映しており,胎児や早期産児(低出生体重児)の神経系機能の評価法,脳障害の診断法,運動障害を早期発見するための予後予測が可能な評価法として有用であることが報告されている.GMsにはWrithing movements(もがくような動き)から Fidgety movements(振幅は小さく,速度は中程度の,円を描くような運動)に変化するなど,月齢によって出現する特徴的な運動が存在し,その特徴的な動きの量的・質的評価によって判定される.この観察評価の信頼性と予測妥当性は検証済みであり,脳性麻痺ガイドラインのEvidence levelはIbを含む高いものである. 我々は,新生児障害の早期発見を目的としたGMs の定量評価・自動識別が可能なGeneral movements 評価システムを提案した.提案システムは,1 台のカメラを用いて新生児の運動を計測し,計測画像に画像処理を施すことで運動の特徴を抽出できる.さらに,得られた特徴量から医学的知見に基づいた運動解析を行い,解析結果に対してGMs に基づいた運動識別する. 本年度の実験では,GMs に基づく運動解析および運動識別を行った.結果より,提案法を用いることで児の運動の特徴をとらえられていることを確認するとともに,GMs に基づく運動識別が可能であることを明らかにした.特に正常・異常で分類した際には高い識別率が確認できたことから,提案法による医師の診断支援の可能性を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新生児を対象とした動画像解析において,異常・正常に対して高い識別率を確認することができた.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は運動タイプのモデルの構築と運動判別システムの開発,および主観的評価と客観的評価の比較照合を行う. 最終年度の平成27年度は障害予測システムの精度向上と有効性を検証する.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は研究実施のための計画修正や実験施設での打ち合わせなどを中心に実施したために旅費が高額となり,予定通りの複数施設での計測用として物品購入ができなかった. 来年度以降,画像計測や画像解析に使用する予定.
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