研究課題
本研究課題では,生体内の構造・機能を計測するための造影剤として広く用いられている,蛍光色素インドシアニングリーン(ICG)の生体内分布を断層画像計測する技術の研究を行ってきた。平成25年度には,超音波による蛍光強度変調を利用し,集束超音波焦点を走査することで散乱媒質内の位置情報を取得する超音波タグ蛍光画像検出技術の高感度化手法の研究を行い,ゲート式光電子計数法の有効性を示した。しかし,励起光による背景光ショット雑音の制限により,生体深部を画像計測するための十分な感度が得られないという課題があった。平成26年度では,その問題を解決する計測法として,励起光を用いることなく化学的励起による蛍光検出法を検討した。低パワーの集束超音波を照射することで化学発光反応を促進し,化学発光を増強する効果を見出し,これを利用したイメージングが可能であることを示した。平成27年度は,実際の生体組織を用いて画像計測を行うとともに,化学発光の増強メカニズムに関する検討を行った。これにより生体に投与した蛍光色素(蛍光プローブ)の濃度分布を定量的に断層画像計測することが可能であることを示した。本研究課題が目標とした新しいICGイメージング法を開発することができ,その成果はソノケミストリーの専門誌Ultrasonics Sonochemistryに掲載された。(http://dx.doi.org/10.1016/j.ultsonch.2015.11.027)
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