研究課題/領域番号 |
25350575
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
岡本 淳 東京女子医科大学, 医学部, 特任助教 (10409683)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 手術支援ロボット / 医工連携 |
研究実績の概要 |
対象領域にかかわらず、多くの手術は立位により行われる。大きな動作が無くかつ休息のない立位環境は、エネルギー代謝は小さいにもかかわらず静的疲労が蓄積しやすい。また長期間の立位作業暴露は、下肢静脈瘤、腰椎症、腰部椎間板ヘルニアなどの病気を引き起こすとされている。疲労や痛みの結果、手術に集中出来なくなり、作業効率が悪化するだけでなく、全体的な手術リスクを上昇させる原因となる。本研究では立位手術で術者に追従し、術者の体重を支える「Auto-Switching Chair」の開発を行う。本装置の使用で、術者の疲労度の改善や手術精度の向上をどの程度達成できるかを評価し、装置の存在価値を検討することが第一の目的である。まず術者のニーズを満たす装置を研究開発し、製作する。本研究は装置の有用性の検討であるため、臨床使用を行いながら問題点を抽出し、装置を改良していく手法を採用することで、ニーズを満たす装置が完成し、その必要性が検討できると考える。 本年度は、昨年度行った基本設計をベースに、機構の詳細設計を行った。具体的には、要求される耐荷重と移動速度に基づいたモータ選定と取り付け部の設計、術者が座る座面の設計、術者の足元のスペースを広く取るための脚部設計等である。また、当初はエアシリンダを用いて椅子部の上下動を行う予定であったが、ニーズ調査により方針を変更し、アクティブに上下する機構を採用した。本年度中に製作は完了しなかったため、来年度への延長申請を行い、開発した実機を用いて評価を行う。来年度は、脳神経外科だけでなく、東京女子医科大学・信州大学外科系臨床科の幅広い分野、経験年数の術者に使用を依頼し、使用後のアンケートから、装置の有用性の判断を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
H27年度は、他プロジェクト(AMED)の推進のため、本研究へ取り組む時間を削減せざるを得なかったため、1年間の延長申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
延長したH28年度において、当初計画を達成させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
H27年度は他プロジェクトにエフォートを割いたため、開発が遅れたことが理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度にAuto positioning chair の部品費・加工費として残額を使用する。
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