細胞を含んだまま凍結解凍でき,解凍後に細胞を高い確率で生存させるためのポリジメチルシロキサン(PDMS)製マイクロ流体デバイスを開発した.このマイクロ流体デバイスに細胞を播種したのち-80℃に冷却し,解凍後の生存率を評価したところ,典型的なマイクロ流路内で凍結・解凍し培養を再開した細胞はむしろ死滅する蛍光があった.この死滅の要因を把握すべくさらに鋭意検討をすすめた結果,PDMSを真空脱気処理し,マイクロ流路内に流線を剥離させずに流速を低下させて細胞の沈降を助ける凹構造を形成することで,高密度での細胞導入と迅速確実な凍結保護剤除去を両立し,流路内で凍結・解凍した細胞を生存させることに成功した.
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