研究課題
1.A549細胞における薬理作用増強メカニズムの解析蛍光色素ヨウ化プロピジウム(PI)は健常細胞では細胞膜を通過しないが、細胞膜に傷害を受けるか細胞膜透過性が増すことで容易に通過する。PIはDNAと結合することで蛍光強度が増し検出が可能になる。これを用いて交流磁場曝露により培養細胞に与える影響をフローサイトメトリーを用いて解析した。交流磁場(60 Hz, 100 mT)24時間曝露後のA549細胞は、シスプラチンを加えない磁場単独曝露でPI陽性細胞が僅かに増加した。この結果は磁場曝露によりPIの細胞内流入量が増加したことを示している。2.薬理作用増強効果の増大を示す交流磁場曝露条件の探索これまでは交流磁場の周波数条件を60Hz、磁束密度を50mTとして解析していた。本年度は周波数を60Hzに固定し、磁束密度を100mTに変更して比較解析した。シスプラチンのヒト由来肺がん細胞 (A549) に対する殺細胞効果を、ヨウ化プロピジウムにて染色しフローサイトメトリー法により解析したところ、シスプラチン濃度 2μg/ml投与群にて60Hz, 100mTの交流磁場曝露により平均 4.16μg/ml (標準偏差 1.41, n=7) 相当の殺細胞効果を示した。
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Toxicology and Applied Pharmacology
巻: 297 ページ: 41-55
10.1016/j.taap.2016.02.017