研究課題/領域番号 |
25350592
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
宗宮 真 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (20302474)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療・福祉 / 脳神経疾患 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、神経変性疾患が引き起こす運動機能障害と高次脳機能障害をリハビリテーション効果の観点から検討し、リハビリテーション効果が認められる症例の特徴を見出し、各々の症例に対するより有効かつ的確なリハビリテーションプログラムの構築に役立てることにある。 高次脳機能障害については、運動学習や抑制機能などを含む前頭葉機能に関する神経心理学的検査を用いて、運動機能のリハビリテーション効果に関しては、三次元動作解析装置・床反力計・動的重心動揺計・電気生理学的検査(表面筋電図)などの計測機器を用いることで、必要な臨床情報を得た。 パーキンソン病患者を対象に、リハビリテーション開始前に三次元動作解析装置・床反力計・動的重心動揺計・電気生理学的検査(表面筋電図)やFAB(前頭葉評価バッテリー)等の検査バッテリーを用いて評価を行った。股関節・膝関節・腹筋・背筋・殿筋の運動、体幹の回旋運動、立ち上がり訓練、歩行訓練などを約30分行った後、即時効果を検討するため、再度、三次元動作解析装置による評価を行った。 パーキンソン病患者について、これまで行った歩行に関する検討に加えて、動的重心動揺計による姿勢反射障害の検討を中心に行った。FAB高値群とFAB低値群に分けて検討を行った。リハビリテーション施行後に、FAB高値群では、動的重心動揺計での総軌跡長、単位軌跡長、外周面積、前後方向の軌跡長や移動速度の減少、三次元動作解析装置での体幹マーカーの最大移動距離と前方・後方への最大速度の減少が認められた。FAB低値群では、動的重心動揺計での前後方向の軌跡長や移動速度の減少で有意な変化を認めたが、FAB高値群でみられた他の変化は認められなかった。これらの結果から、前頭葉機能障害が姿勢反射障害に対するリハビリテーション即時効果に関連していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パーキンソン病患者を中心にデータ収集し、臨床情報との関連や歩行以外の動作、外乱に対する姿勢反射への影響について統計処理・データ解析している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで収集したデータの解析を進め、リハビリテーション前後での各種動作間の関連や各々の測定項目間の関連についても検討した後、学術雑誌に発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額(3,684円)が生じた理由は、今年度末近くに購入した物品が安価に入手できたことによる。これを、より有効に活用するため次年度使用とした。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額(3,684円)は、学術雑誌への投稿準備のための費用の一部として、有効に使用することを考えている。
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