研究課題/領域番号 |
25350600
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
花岡 秀明 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 教授 (10381419)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 高齢者 / 回想法 / QOL |
研究概要 |
超高齢社会を迎え、要介護者の増加、認知症高齢者の増加が懸念され、効果的な介護予防が求められ、心理・社会的アプローチの一つとして、回想法介入が試みられている。現在、回想法を実践する際に、回想を促す刺激方法についてエビデンスに基づいた方法論が示されておらず、効果的な結果を得るためには、その方法論の確立が重要である。 研究の目的は、これまで申請者らが考案してきたプログラムを基に、よりプログラムの根拠を明らかにして、適切な刺激を用いた回想法プログラムを開発することにある。そして、本プログラムの精神的健康および認知機能の対する効果を検証し、介護予防のための実効ある回想法プログラムを構築することにある。 今年度は、適切な回想刺激を用いた回想プログラムを開発するため、回想法を先駆的に実践している回想法センターのセラピストから回想刺激の用い方に関する情報収集を行い、その情報と先行研究を参考にして、高齢者の普段行う回想に、日常生活のどのような刺激が関連しているかを明らかにするための調査用紙を作成した。そして、関係する研究協力機関に協力願いを行い、地域在住の中年期および高齢期の対象者に調査用紙記入の依頼を行い、平成25年度末までに75名から回答を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度では、まず普段行う回想にどのような日常生活の刺激が関連としているのか、横断調査を行う。その結果から、これまで申請者らが作成したプログラムを再検討し、新たな回想法プログラムを作成することにあった。しかし、25年度末の状況は、横断調査を実施し終えた状況であり、新たなプログラム作成に至っておらず、やや遅れていると回答した。 その1つの理由として、横断調査を行うためは、先行研究のみならず、実際の回想法実践の中からも調査項目について検討する必要がある。幅広い視点から検討するため、国外状況にも目を向ける必要があることから、回想法実践の歴史を持ち、実践している国外の回想法センターに依頼し情報収集を行ったが、日程調整までに時間を要してしまったことが挙げられる。二つ目の理由としては、得られた情報を基にして、回想刺激に関する調査用紙を作成し、調査用紙への記入を依頼したが、協力機関の選出や協力依頼に時間を要したことが遅れに繋がった。 今後は、早急に解析を行い、解析結果を反映した回想法プログラムを作成し、効果検討を行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年から27年度にかけては、平成25年度の調査結果を基に、新たな回想法プログラムを作成し、地域在住高齢者の精神的健康および認知機能への有効性を客観的な手法を用いて短期的な効果だけでなく、中~長期な効果についても検証し、地域在住高齢者の介護予防のための実効ある回想法プログラムを構築することを目指している。 平成26年度は、早速25年次に行った調査結果を解析し、適切な回想刺激を抽出し、明らかになった回想刺激を用いた新たな回想法プログラムを作成し、実施する予定である。平成25年度でやや遅れが生じていることから、プログラムを実施するための機関に対して、既に協力依頼を既に行っている。協力機関の理解を得ることができれば、予定通り、介入の効果検討が可能となり、26年度から27年度にかけて追跡調査をすることで、中長期な効果についても、検討することができる。
|