• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

高齢者の活動的で生きがいのある生活を支援する心理・社会的アプローチの構築

研究課題

研究課題/領域番号 25350600
研究機関広島大学

研究代表者

花岡 秀明  広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 教授 (10381419)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード高齢者 / 回想 / 予防
研究実績の概要

研究の目的は、研究代表者らが考案してきたプログラムを基に、適切な刺激を用いた回想法を開発することにある。そして、地域在住高齢者を対象とした、本プログラムの精神的健康および認知機能の対する効果を検証し、介護予防のための回想法プログラムを構築することにある。
25年度から26年度の前半には、根拠をもって回想の手がかりを用いるため、つまり、回想を促すための適切な感覚刺激を用いたプログラム開発を目指して、高齢者が普段の生活の中で惹起される回想が生じる刺激や経験を検討し、匂い刺激に対する回想経験を有する者ほど、肯定的な回想を行う傾向にある知見を得た。その結果を基に、26年度の後半から27年度には、次のステップとして、嗅覚刺激に着目し、地域在住高齢者を対象に2群に分類した。肯定的な回想と関連のある匂い刺激の回想法と、回想の手がかりを用いない会話のみの回想法の比較により、抑うつと認知症予防に対する検討を行った。評価は、ベースラインと介入終了後の2時点とし、Geriatric Depression Scale-15(GDS-15)とFive Cognitive Testを用いた。分散分析を実施した結果、GDS-15に有意な交互作用が認められた。また、Five Cognitive Testでは、手がかり再生課題と文字位置照合課題の項目で、有意な時間による主効果が認められた。
以上のことから、匂い刺激を回想刺激として用いた回想法は、会話のみによって行う回想法よりも、地域在住高齢者の精神的健康維持に有用であること、そして、回想刺激の有無にかかわらず回想法は認知機能の向上をもたらす可能性が示唆された。今後は介護予防のための一つの手段として、実用的でより効果的なプログラムとなるための更なる検討が必要と思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Reminiscence triggers in community-dwelling older adults in Japan2016

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Hanaoka, Toshiaki Muraki, Jacqueline Ede, Shingo Yamane, and Hitoshi Okamura
    • 雑誌名

      British Journal of Occupational Therapy

      巻: 79 ページ: 220~227

    • DOI

      10.1177/0308022615609621

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 地域在住高齢者に対する回想手がかりに関する検討2016

    • 著者名/発表者名
      花岡秀明,村木敏明,岡村 仁
    • 学会等名
      第17回日本認知症ケア学会大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(神戸市)
    • 年月日
      2016-06-04 – 2016-06-05
  • [学会発表] 地域在住女性高齢者に対する匂いを用いた回想法の予備的検討2015

    • 著者名/発表者名
      花岡秀明,村木敏明,岡村 仁
    • 学会等名
      第5回日本認知症予防学会学術集会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(神戸市)
    • 年月日
      2015-09-25 – 2015-09-27

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi