研究課題/領域番号 |
25350604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
花田 匡利 長崎大学, 大学病院, 理学療法士 (00596869)
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研究分担者 |
神津 玲 長崎大学, 大学病院, 理学療法士 (80423622)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生体肝移植術後 / 筋萎縮 / 電気刺激療法 |
研究概要 |
生体部分肝移植術(LDLT)後は,肝代謝合成機能が術前よりさらに低下するため,骨格筋においては廃用性萎縮による筋力低下が惹起され,ADLの低下から活動量がさらに低下する悪循環に陥る.そのため,電気刺激療法(EMS)を用いた筋収縮運動が,LDLT後の患者において筋力維持および増強に有用であるかを検討することである.LDLT手術予定の患者に対して,術前より身体機能として握力,下肢筋力,超音波検査による大腿四頭筋の筋厚,運動耐容能として6分間歩行試験を行い,ADL,QOLについても評価した.術後も1ヵ月後,3ヵ月後に同様の評価により効果判定を行った.無作為にEMS群とコントロール群に大別して行った.EMS 群は刺激部位を大腿指頭筋とし,刺激強度45Hz; 400-μs (通電時間12 秒,休止時間6 秒,強度40-80mA), 実施時間を1 セッション30分間を2セッション, 実施頻度は,週に5 回以上で施行した.コントロール群は,shamとして刺激部位を前頸骨筋とし,同様の刺激強度,頻度で行い,時間は1セッションとした.現在,脱落例もあり症例数が少なく解析できる段階にないが,現時点では,両群ともに下肢筋力は術後1ヶ月目では30~35%程度減少し,筋厚も約20%程度減少する結果であった.しかし,EMS群は術後合併症併発などにより術後経過がコントロール群と比較して順調ではない例が多く,ADLもコントロール群より低い.しかし,大腿四頭筋の筋厚の減少率は少なかったことから,EMSによる刺激で筋萎縮の進行抑制効果が得られている可能性があると示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各種検査機器や備品の納期や調達が遅れ,研究開始に遅れが生じた.研究開始以降は,順調にデータ収集もでき本年の目標症例数の半数は確保できた.しかし,途中で運動器疾患の合併や拒否もあり除外せざるを得なくなった脱落例もあり,まだ症例数としては少ない状況.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果から,症例数も少ないのでコントロール群との比較もできず明確な結果は示せないが,どちらの群においても術後合併症なく離床が順調に進んだ症例においても,術後1ヶ月目の評価時には筋力低下および筋萎縮を呈している例が多かった.今後,電気刺激療法の効果を検討できる様に症例数を増やしていく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
症例数が確保できず,消耗品等の購入をしていないため 症例数を増やし,不足している必要機器の購入も検討していく.
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