ハイパーサーミアは、癌組織の免疫逃避機構をほぼ完全にブロックする(免疫抑制性サイトカインの分泌抑制、癌細胞上の癌抗原の発現増強、Tregの抑制など)。また、がん患者の免疫系に関しては、ハイパーサーミアを受けた患者のリンパ球のTh1サイトカインの産生能が亢進することも見いだした。また、NK細胞活性は、ハイパーサーミアにより増強し、未熟樹状細胞もハイパーサーミアによって成熟し、抗原の取り込みも亢進することも明らかとなった。以上のことから、ハイパーサーミアは、癌の免疫逃避機構を破壊し、正常な免疫機構を再構築するものと考えられる。今後は、ハイパーサーミアと免疫療法の臨床での検討を考えたい。
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