研究課題/領域番号 |
25350613
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
小林 大介 東北福祉大学, 健康科学部, 助教 (60636132)
|
研究分担者 |
黒澤 一 東北大学, 環境・安全推進センター, 教授 (60333788)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 吸気粘性抵抗負荷 / 換気応答 / 呼吸パターン介入 / 胸腹部の呼吸運動特性 / 呼吸補助筋筋硬度 |
研究概要 |
呼吸方法への介入効果検証のために、ポータブル・レスピトレースを購入し、吸気に粘性抵抗を負荷したときに、腹部・胸部どちらの運動要素が呼吸介入に影響を与えるかを予備実験的に検証した。また筋硬度測定機器も購入し、呼吸介入が呼吸補助筋群に与える影響についても、予備実験的に検証を行った。それぞれの予備実験の結果、換気応答のばらつきが認められ、健常者の心理・性格的な影響も、呼吸困難感の改善に影響があると推察される結果がでたため、今後は心理・性格的な要素の評価も必要になってくると思われた。 今後は、呼吸介入方法や実験の被験者においても意識的に呼吸パターンを変えて、呼吸困難感を改善してしまう行動性調節の影響を最小限におさえるための方法の統一性を勘案し、胸・腹部の呼吸運動特性や筋硬度などの影響を考察する。必要に応じて、被験者の性格・心理的な評価指標の導入も検討していく。 胸・腹部の呼吸運動特性についても、個人間のばらつきが認められるため、ばらつきの影響や原因、それらの検証を今後行っていくことが、呼吸生理学的な意義を解明していくために重要と考えられる。 これまでの先行研究においては、国際学会で発表し、国内・外の研究者から助言をいただいた。今後は予備実験で結果を得た、呼吸介入時の胸・腹部の呼吸運動特性や呼吸補助筋群の筋硬度の影響について検証を進め、発表していく。雑誌については、以前の先行研究を国内雑誌に投稿し、掲載された。 また、予備実験と同時にエントリーを進めていく予定だった、本実験の被験者(健常高齢者・COPD患者)については、まだ実施できていない状況である。平成26年度中に疾患群を含めたエントリー計画を立て、実行する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1つ目がレスピトレースや筋硬度測定機器を使用した、予備実験を進めているが、被験者の反応や呼吸困難改善の結果にばらつきがあり、呼吸介入方法のプロトコールの再構築に時間を要したため、胸腹部運動のばらつきや呼吸筋の筋硬度の反応のみの検討にとどまり、本実験に着手することができなかった。 2つ目が、予備実験と並行して進めていく予定であった、予備実験に時間を要したため、本実験の被験者エントリーに着手することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は現時点で予備実験の段階であり、今後は早急に本実験に移行するために、実験プロトコールの再構築を図っていき、呼吸困難感の改善につながるような呼吸介入方法が、理学療法領域における生理学的・運動学的意義のある検証の可能性を模索したい。 並行して、今年度は本実験の被験者エントリーについて、健常高齢者5~10名程度、COPD患者5名程度を目標に進めていき、実際に呼吸がしにくくなる負荷条件下での、呼吸パターン介入を行い、換気応答、呼吸運動特性などの検証していく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
計画どおりにレスピトレースや筋硬度測定機器購入した。しかし当初計画に入れていた本実験被験者への謝礼や消耗品について、被験者エントリーに着手することができなかったため、次年度に繰り越す結果となった。 予備実験も含めた被験者への協力謝礼を中心に、実験機材および学会発表への経費として使用する予定である。
|