本研究は最適性を基礎とした運動機能制限下での運動戦略の選択に関する理論構築を目的とした。第1実験では、股関節屈曲制限モデルを用いてエネルギーコストと歩行戦略の関係について検討した。第2実験では、非対称性足部接地における立ち上がり動作の重心軌道形成とエネルギーコストの関係について検討した。第3実験では、膝関節屈曲制限モデルを用いて障害物に対する跨ぎ動作と着床時の床反力の関係について検討した。結論として、機能制限下においてもエネルギーコストを最小限にするよう運動軌道および運動パターンが形成されていること、転倒などの危険を回避しなければならないような課題では安全性が優先されることが示された。
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