脳梗塞のため軽度の不全片麻痺のある患者16名に、手運動をタスクとしたfMRIと錐体路トラクトグラフィーの同時計測を行った。錐体路が正常と判定された12例で、急性期には、fMRI正常6例、fMRI活動低下5例、慢性期には、fMRI正常2例、fMRI低下1例が見られた。錐体路異常と判定された患者7例では、急性期には、fMRI正常2例、fMRI低下1例、fMRIの再構築1例がみられ、慢性期には、fMRI正常1例、再構築2例が見られた。錐体路の構造異常がみられた患者でのみ、fMRIの再構築が7例中3例に見られており、脳梗塞後の脳運動ネットワークの再構築は錐体路の損傷が機序となることを示唆している。
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