• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

病的音声の聴覚心理的評価熟達度と評価に関与する音響パラメータの関係に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 25350617
研究機関千葉工業大学

研究代表者

世木 秀明  千葉工業大学, 情報科学部, 准教授 (60226636)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード病的音声 / 音声障害 / 嗄声 / 構音障害 / 聴覚心理的評価 / GRBAS尺度 / 音響分析 / 病的音声評価訓練・学習プログラム
研究実績の概要

平成27年度は,昨年度までに行った研究結果を基に,病的音声(音声障害音声,構音障害音声)の症例数や音声数をさらに増やして音響分析と聴覚心理的評価を行い,病的音声の評価の手がかりとなる音響パラメータや評価の熟達者と初心者が評価の手がかりとする音響パラメータの違いなどについての検討を行った.
検討の結果,GRBAS尺度による音声障害音声の聴覚心理的評価では声の高さに関するゆらぎを示すPPQ,JPおよび,音声と雑音エネルギー比を示すHNR,NNEaが主に評価の手がかりに利用される音響パラメータであると考えられた.また,聴覚心理的評価の熟達度と評価に活用されるパラメータの違いについて検討すると,評価の初心者は主にPPQ,JPを評価の手がかりとしているのに対して熟達者は,これらの音響パラメータに加え,HNRやNNEaなど他の音響パラメータも評価の手がかりにしていると考えられた.
一方,構音障害音声の1つである側音化構音の評価に関しては,日本語50音表の「い」段と「え」段の母音部における第1,第2フォルマント(F1-F2)周波数の強度差とF2の共鳴の鋭さを表すQ値に加え,HNRと2.5kHz以上の雑音レベルも構音の異常度を評価するための手がかりであると考えられた.
さらに,昨年度開発した聴覚心理的評価訓練・学習プログラムを言語聴覚士や言語聴覚士を目指す専門学校学生に試用してもらい,得られた意見を基にして学習アルゴリズムや操作画面インターフェースなどに改良を加えた.また,iPadなどの携帯型情報端末でも評価訓練・学習を可能とした.この結果,学習効果のさらなる改善が観測された.また,評価訓練・学習結果から側音化構音の評価は,評価の初心者でも評価の手がかりとなる音響パラメータに気づくことができると音声障害の評価に比べて短い学習時間で評価熟達者と同等の評価が行えるのではないかと考えられた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 嗄声の聴覚心理的評価訓練プログラムの開発2016

    • 著者名/発表者名
      世木秀明、渡辺陽子
    • 雑誌名

      日本福祉教育専門学校 研究紀要

      巻: 24 ページ: 51-54

    • 査読あり
  • [学会発表] 嗄声の聴覚心理的評価熟達度と評価に関わる音響パラメータの関係についての検討2015

    • 著者名/発表者名
      世木秀明、渡辺陽子
    • 学会等名
      第60回日本音声言語医学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      愛知県産業労働センター(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2015-10-15 – 2015-10-16

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi