本研究の初年度では健常人で計測を実施し、予備実験として体重接触支持面の不均衡差及び脊柱変形と胸郭変形との関連性を体圧分布装置と胸郭形状を数値化して相関性を考察する。またその評価方法の妥当性も検討し、安全性と信頼性を高めていく。 本年5月に採択を頂き、本学倫理委員会に研究承認申請を提出し、8月に採択を得た。予備実験対象者として、本研究の目的、手順などを説明した上で同意を得られた健常人40名(過去に脊椎・胸郭に整形外科的な既往歴のない男女 平均年齢22±3歳)を目盛付支柱計測を用いて立位時並びに仰臥位10分後の胸郭をGoldsmithらが考案した胸郭の評価としてMeasurement of the depth/width ratio of the chest(俗称:Pin-man graph)にて計測した。その結果、立位時時と仰臥位時での相関にばらつきが多く見られ、評価方法の妥当性と安全性を再検討した結果。立位時と仰臥位10分後の測定時の姿勢安定性の設定調整を再構築し、新たに対象者を募り、同意を得られた健常人70名の学生に再評価を行った結果、立位時と仰臥位時(立位から直後と10分後)での計測結果では平均値では有意差があった。対象群から無作為に選出した30名の仰臥位での体重支持面の不均衡差を(株)ニッタHUGE-MAT体圧分布測定装置にて計測した。仰臥位時での荷重値差(左右差)の計測結果では平均値では有意差がなかった。しかし、平均値が径時的に僅かに減少している事から健常者では体重接触支持面の不均衡差が軽減された。 立位時と仰臥位時(立位から直後と10分後)でのPin man graphでの計測結果では平均値では有意差があった事は胸郭偏平化には自重応力による影響があると考えられる。また、仰臥位での荷重値差減少は、健常者では体重接触支持面の不均衡差(左右差) を時間経過と共に修正できるからと考えられる。
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