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2014 年度 実施状況報告書

脳外傷者の自動車運転能力に関する脳科学的評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 25350626
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

渡邉 修  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30256466)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード脳損傷 / 自動車運転 / 簡易型ドライビングシミュレータ / NIRS / 前頭前野
研究実績の概要

(1)簡易型ドライビングシミュレータを用いて、まず、健常者20名に対し、単純課題および自動車市街地走行時の前頭葉血流の変化を計測した。その結果、以下の結論を得た。①単純課題に比し、市街地走行では前頭葉血流は優位に、いずれの部位でも増大した。②自動車運転中、前頭前野は左右差なく、いずれの部位でも、血流の増加を確認した。③これらの結果は、前頭葉損傷者の運転においては、MRI等の画像所見から、慎重にアドバイスすべきであることを示唆している。④一方、前頭葉損傷者が自動車運転を再開する場合、米国で一部、実施されているような、「限定的」運転の制度が導入すべきではないかと思われる。すなわち、運転地域の限定、運転時間帯の限定などである。
以上の内容は、今後、学会発表をしていく予定である。
(2)同ドライビングシミュレータを用いて、数名の脳損傷者にも、上記と同様の計測を行った。まったく問題なく運転をこなす例では、前頭前野の血流増加のパターンは健常者と類似していた。今後、(1)のデータをもとに、脳損傷者への計測を進めていく方針である。
(3)障害者の自動車運転に関する論文は、「自動車運転再開支援を行った脳損傷者の特徴と事故について リハ医学 51(2):138 -143,2014」においてまとめた。研究発表は、第23回バイオレオロジーリサーチフォーラム(東京大学、2014/12/02)において行い、自動車運転中の脳血流の変化について、当該研究の成果を報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

健常者20名に対し、単純課題および自動車市街地走行時の前頭葉血流の変化を計測した。以上のデータは、今後、脳損傷者に対し、同様の計測を行う上で、コントロールデータとなりうる。

今後の研究の推進方策

脳損傷者を対象に、単純課題および自動車市街地走行時の前頭葉血流の変化を計測する。わせて、神経心理学的検査および脳画像(MRI/CT)との照合を行う。

次年度使用額が生じた理由

今後、さらに脳損傷者を対象に、本研究を推進する必要がある。

次年度使用額の使用計画

脳損傷者を計するにあたり、データ解析ソフト、計測機器、消耗品として、助成金を使う計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 自動車運転再開支援を行った脳損傷者の特徴と事故について2014

    • 著者名/発表者名
      武原 格、一杉正仁、渡邉 修、林 泰史、米本恭三、安保雅博
    • 雑誌名

      リハ医学

      巻: 51 ページ: 138 -143

    • 査読あり
  • [学会発表] 高次脳機能障害に対するNIRSの応用2014

    • 著者名/発表者名
      47)渡邉 修
    • 学会等名
      第23回バイオレオロジーリサーチフォーラム
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2014-12-02 – 2014-12-02
    • 招待講演

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公開日: 2016-05-27  

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