研究課題/領域番号 |
25350626
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
渡邉 修 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30256466)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脳損傷 / 自動車運転 / ドライビングシミュレーター / 高次脳機能障害 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、自動車運転に必要な認知機能を同定し、脳損傷者の自動車運転に役立てることである。自動車運転には、運動機能、視覚機能の他に、認知機能として、計画能力、注意の維持、選択、分配、転換機能、ワーキングメモリー、遂行機能、視空間認知機能、短期記憶、長期記憶、展望記憶、道具の操作能力、感情のコントロール能力、自己認識能力を必要とすることが今までの研究で明らかとなった。これらの能力が保持されるためには、両側前頭葉、右頭頂葉を始めとする左右の大脳半球の広範な機能が健全である必要がある。したがって、本研究は、平成28年度、脳損傷者が運転再開を希望する場合、前提条件として、医学的に安定し、日常生活が自立しており、社会性が保持されていること等を確認し、その後、脳画像所見と神経心理学的検査結果を参考として、ドライビングシミュレーターによる運転能力評価を行った。そしてこれらで問題がない場合には、近隣の自動車教習所において実車による運転能力評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述したように、自動車運転に必要な脳機能について明らかにできたので、当該年度、脳損傷者の実際の運転再開にむけてのドライビングシミュレーターによる運転能力評価を行い、近隣の自動車教習所において実車による運転能力評価を行った。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、以上の脳損傷者の運転再開の流れを、さらに組織化し、症例を増やしていく。現在までのところ、症例は30症例程度に蓄積された。今後、さらに、学会発表、論文執筆を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
脳損傷者の自動車運転再開のための評価を行うための費用を要する。
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次年度使用額の使用計画 |
神経心理学的検査、画像所見評価、データベースの集積、ドライッビングシミュレータの維持管理費、その他、消耗品購入を計画している。
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