研究課題/領域番号 |
25350627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
原 行弘 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20198899)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脳機能 / 機能改善 / ニューロリハビリテーション / 機能的電気刺激 / ニューロモデュレーション |
研究概要 |
【目的】運動誘発型機能的電気刺激(以下IVES)と経頭蓋直流電気刺激(t-DCS)との併用効果および運動野脳血流測定に関する検討を行った. 【対象】慢性期脳卒中中等度片麻痺患者12例(麻痺上肢SIAS3-5、手指SIAS1b-2). 【方法】10-20法のC3またはC4においてanodalまたはcathodal刺激(1.5mmA, 20分間)を行い不関電極は対側眼窩上固定した。t-DCSに続いて片麻痺側総指伸筋・固有示指伸筋、背側骨間筋におけるIVESを60分間施行した。STEFおよびblock & box testをはじめとする巧緻運動評価と24チャンネル近赤外線脳血流測定装置(NIRS)を用いて脳血流機能改善効果の検討を行った. 【結果】4例はt-DCSによる機能改善効果に乏しく連続併用訓練の適応にならなかった.4例は非障害側anodal刺激、4例は障害側anodal刺激が最も有効であった. t-DCS+IVESによる機能改善効果には個人差が認められた.8例に5日間連続してt-DCS+IVESを施行し、継続的な機能改善効果を認め、障害側の脳血流増加を認めた. 【考察】中等度の片麻痺患者では非障害側または障害側anodal刺激が有効である傾向が示されたが、効果に個人差があることが示された. anodal刺激は、IVESによる機能改善効果とは異なる脳機能賦活効果があると推察され、t-DCS+IVESの併用療法は中等度片麻痺に相乗効果による脳機能賦活の可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被験者を順調にリクルートすることが可能であり、1年間でほぼ予定通りの研究進捗状況である. 研究成果を国内、国際学会で報告している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は同様なペースで研究を進めてゆく予定である。 研究手技はほぼ確立されたので、被験者の確保をすすめ、データ解析、成果発表、論文執筆へと進みたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に経頭蓋直流電気刺激装置と機能的電気刺激装置の追加整備および学会発表旅費へ充てる経費として、次年度へ繰り越すこととなった。 また、消耗品の補充を次年度に行うこととなったため、次年度へ繰り越す額が生じた。 経頭蓋直流電気刺激装置と機能的電気刺激装置の追加整備。 電極、リード線などの消耗品購入予定。
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