• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

3D映像による近見反応測定の確立と視空間認知障害へのリハビリテーションへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 25350629
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

原 直人  神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (30265699)

研究分担者 向野 和雄  神奈川歯科大学, 歯学部, その他 (60050473)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード3D映像 / 斜視 / 近見反応 / 瞳孔 / 輻湊 / 大脳 / 焦点調節
研究概要

本研究は2つの目標を持つ。第1として「3D立体映像(以下3D)刺激による近見反応を誘発させた際の瞳孔の位置から解析された視線の位置(輻輳眼球運動)を測定し、また輻湊反射の記録装置の確立」である。次に、本装置を用いて対象を2つに絞って①健常者、②間欠性外斜視の測定および治療として斜視手術(外直筋後転術)を行い、手術前後での近見反応の変化を解析し斜視手術の効果、間欠性外斜視の両眼視機能を検討することである。【開発すべき近見反応測定装置の設定開発について】3D映像対応のPC画面(50㎝前方に設置)に液晶シャッター式3Dモニターにて2種類の動的3D映像連続刺激とステップ刺激を提示可能とした。3D刺激の提示方法としては、連続運動3D刺激映像(連続刺激);振り子運動するテニスボール映像は、“大きさ”と“両眼視差”刺激を用いる。視差は最も近方時で4.45°、最も遠方時で視差2.27°。step 3D刺激映像(step刺激):視差0°、視差0.56°、視差2.27°の3段階を10秒毎に近づく直径0.33°(3㎜)の円と直径1. 11°(10㎜)の輪からなる標的の映像刺激の作成を行った。一方、これら視覚刺激と同期させて測定可能とした立体視度計測システムET-3D10(ニューオプト社製)を用いて輻湊眼球運動の記録を行った(以下、記載)。【健常者被験者と間欠性外斜視に対する近見反応測定および斜視手術(外直筋後転術)手術前後での近見反応の変化の解析】対象は、1)健康若年者を正常被験者、2)間歇性外斜視・外斜視患者を対象とした。被験者が立体映像として認識して、近見反応が誘発されるか否か、また刺激としては適切であるかどうかを解析検討し、さらに装置の精度などを確認した。また斜視手術前・後に検査することで、神経学的な所見を眼球運動といった実際の他覚的な指標を用いて治療効果を確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

視覚刺激としてルーチン化したソフトの開発ができた。またその装置を用いて間歇性外斜視患者に対する輻湊眼球運動を記録ができた。そこから眼球運動の解析が可能であったことが再確認できた。また斜視手術後にも同様に記録しその解析から、手術により極めて眼球運動が改善することが認識できた。

今後の研究の推進方策

1)3D立体映像を視覚刺激として”動的な近見反応”の記録を正常被験者(年齢別)に記録する。対象となる正常被験者のデータを積極的に集める。若年者と高齢者の2群に分けて加齢に伴う近見反応の変化・年齢的な相違を比較する。その結果をもとに、高齢者の近見反応と若年者との近見反応の相違を明らかにすることで、高齢者の奥行き感に関する病態生理を明らかにする。加齢に伴う輻輳眼球運動の変化、瞳孔縮瞳率の正常値を構築する。2)3D立体映像の視聴の際には疲労が出現するが、遮光レンズ(眼鏡)の装用により近見反応の差異を評価する。3)近見反応測定装置の精度や使い勝手などを高めたい。

次年度の研究費の使用計画

仕事内容
①3D立体映像による近見反応測定装置のさらなる精度を高めた記録と解析が出来るよう、機器の改良が必要である②正常被験者の近見反応のデータベース作成が必要と考えている。このため少数ではあるが被験者への承諾書が必要と考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 矯正学的歯の移動による痛みが自律神経機能に与える影響2014

    • 著者名/発表者名
      大庭 純、原 直人、小手川泰枝、宮澤幸紀子、向野和雄、小田博雄、吉田和市
    • 雑誌名

      自律神経

      巻: 50 ページ: 306-312

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 不正咬合が自律神経機能に及ぼす影響─対光反射記録による研究─2014

    • 著者名/発表者名
      宮澤幸紀子、原 直人、小田博雄、小手川泰枝、大庭 純、向野和雄、吉田和市
    • 雑誌名

      自律神経

      巻: 50 ページ: 306-312

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 対光反射、輻湊反応・調節.2013

    • 著者名/発表者名
      向野和雄、原直人、小手川泰枝
    • 雑誌名

      ,Clinical Neuroscience (臨床神経学)

      巻: 31 ページ: 959-962

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 近見反応からみた外斜視病因論~外斜視は近見反応の異常で発症する?~2013

    • 著者名/発表者名
      原 直人
    • 雑誌名

      神経眼科

      巻: 30 ページ: 350-363

    • 査読あり
  • [学会発表] 3D映像からみた近見反応の役割を考える

    • 著者名/発表者名
      原 直人
    • 学会等名
      第12回札幌医大眼科研究会
    • 発表場所
      札幌
    • 招待講演
  • [学会発表] 進行性核上性麻痺にみられる輻湊障害・外斜視の成因機序・責任病巣を考える

    • 著者名/発表者名
      原 直人、鈴木裕美、小手川泰枝、君島真純、大野晃司、向野和雄
    • 学会等名
      第69回日本弱視斜視学会総会
    • 発表場所
      広島

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi