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2013 年度 実施状況報告書

反復経頭蓋磁気刺激と促通療法の併用による効果-新たな神経再構築方法の検討-

研究課題

研究課題/領域番号 25350636
研究種目

基盤研究(C)

研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

岡本 さやか  藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40373071)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード反復経頭蓋磁気刺激 / 促通療法 / ニューロモデュレーション
研究概要

【はじめに】本研究では、rTMSと促通療法との関連を明らかにし、より効果的な麻痺改善方法を提唱するものである。今回は、予備的研究として、回復期リハビリテーション病棟における、亜急性期の脳卒中患者に対するrTMSの効果について検討した。
【対象】脳出血により片麻痺を来し、研究の同意を得られた6例。男性4例、女性2例。当院にて通常の機能訓練のみを行い、Advanced-FITによる麻痺アプローチの追加訓練を行っていない者で、テント上病変による者とした。
【方法】通常の作業療法訓練を行う前に健側大脳に低頻度rTMSを20分間施行した。刺激部位は、健側大脳運動野の手指領域とし、筋電図上で非麻痺側上肢の短母指外転筋のMotor evoked potential(MEP)が最大限に誘発できる部位とした。刺激の強さは、刺激部位においてMEPを誘発できる最小の刺激強度の90%とし、このrTMSを週5日間2週間行った。麻痺側上肢機能を、rTMS施行前、施行後、施行2週間後で、Stroke Impairment Assessment Set(SIAS)運動項目、Brunnstrom stage、STEF、Fugl-Meyer testで評価した。
【結果】6例中2例で、SIASおよびBrunnstrom stageにおける機能改善がみられた。また、別の1例では、Fugl-Meyer testでの改善がみられた。2例とも、rTMS終了後と、2週後では機能に大きな変化はなく、rTMSの効果があったと考えられた。
【考察】回復期リハビリテーション病棟における、亜急性期の脳卒中片麻痺患者に対してもrTMSは有効であると考えられた。以前からの報告のように、麻痺重度の患者では効果はあまりみられず、今後は、対象症例を麻痺の程度によって選ぶ必要があると思われた。今後は、症例数を増やしながら、効果的なrTMSの方法を検討していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1年目には、当院回復期リハビリテーション病棟にて、通常訓練を行っている脳卒中片麻痺患者に低頻度rTMSを行い、rTMSの安全な適応および効果的な患者層の検討を行う予定であった。現在、まだ症例数が少なく、安全で効果的なプロトコールの作成までは至っていない。今後、症例を増やし、適応を検討していく必要がある。

今後の研究の推進方策

今後は、症例数を増やし、回復期リハビリテーション病棟において、どのような患者にrTMSが効果的であるかを検討していく必要がある。また、当院で以前から行っている反復促通療法と、低頻度rTMSの併用による麻痺側上肢機能の改善について、検討していく予定である。上肢機能評価だけでなく、ADL面からも評価し、麻痺機能改善がADL改善につながる方法を探っていきたい。

次年度の研究費の使用計画

研究を行うために、パソコンや統計ソフトを購入する予定にしていたが、本年度は既存のもので研究を遂行することが可能であった。また、本年度は、十分な症例数での検討が行えなかったために、学会発表や論文作成もあまり行えなかった。そのため、使用した経費が少なかった。
パソコンやソフトなどの必要物品は来年度以降に購入していく予定である。また、今後は、発表なども進めていくことにより、経費を使用していく。

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公開日: 2015-05-28  

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