研究課題/領域番号 |
25350638
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
加賀谷 斉 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (40282181)
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研究分担者 |
青柳 陽一郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (30286661)
百田 貴洋 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 助教 (30597638)
才藤 栄一 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50162186)
田辺 茂雄 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (50398632)
稲本 陽子 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 講師 (70612547)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 摂食嚥下 / 咀嚼 / 機能的電気刺激 / 誤嚥 |
研究実績の概要 |
摂食嚥下障害の愁訴,脳卒中,神経・筋疾患,喉頭・咽頭の器質的疾患,頸椎疾患,呼吸器疾患,上部消化器疾患の既往がなく,研究協力に同意し,署名が得られた健常成人10名にクッキーの咀嚼嚥下を行わせた.研究を行うにあたっては,当院の倫理委員会で承認を得た.オトガイ,喉頭などにカラーマーカをつけ三次元動作解析装置KinemaTracer(キッセイコムテック社)を用いて咀嚼運動の三次元動作解析を行った.さらに,透視下に舌骨の動きを画像解析ソフトImage-J(NIH米国国立衛生研究所)を用いて解析した.咀嚼運動では周期的な運動が繰り返され,周期運動の停止後に嚥下反射が生じていた.咀嚼と嚥下反射のタイミングを計測し,嚥下反射の遅延が誤嚥に繋がるかどうかを健常人と摂食嚥下障害患者で比較した.Stage transition duration (STD) 中央値は健常者では1.9秒,摂食嚥下障害患者では誤嚥のある場合3.6秒,誤嚥のない場合3.1秒であり,摂食嚥下障害患者では健常者に比して遅延はみられたが,誤嚥の有無では有意差はなく,咀嚼嚥下においては,嚥下反射遅延があっても直接的に誤嚥には結びつかないことが明らかとなった.今後,随意運動介助型電気刺激装置(integrated volitional control electrical stimulator;IVES)を用いて電気刺激による咀嚼動作の介助を行い,咀嚼運動の再建を行っていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
咀嚼運動において,嚥下反射遅延が誤嚥に直接には結びつかないことが明らかとなり,嚥下反射を急いで生じさせる必要がないことがわかったため.
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今後の研究の推進方策 |
舌骨・喉頭挙上障害があり,研究協力に同意し,署名が得られた摂食・嚥下障害患者を対象に,電気刺激を用いた咀嚼嚥下運動の再建を行っていく.このとき用いる食塊は,個々の患者が安全に食することができると嚥下造影検査または嚥下内視鏡検査で確認済みのものとする.その効果は嚥下内視鏡検査および嚥下造影検査を用いて確認する.
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品購入,学会発表,論文作成などに充てる金額を残している.
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品購入,学会発表,論文作成などに使用する予定である.
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