転倒リスクを持つ高齢女性に対する体幹機能トレーニングが,転倒回避に必要となる前方ステップ動作のバランス回復能力を改善させるかどうかを調査した.対象者14名は,2か月間の体幹機能トレーニング後に体幹と股関節の伸展筋力が向上した.ステップ反応は対象者を前傾姿勢から解放する方法で評価した.ステップ着地時に体幹の過度の前傾を防ぐ体幹と股関節の伸展筋の筋活動が増大していることが示された.一方,体幹前傾角度と一歩長の比で決定される安定性に関与するステップ着地姿勢は,改善を認めなかった.体幹機能トレーニングのみでは,転倒リスクを持つ高齢女性のステップ着地時姿勢の改善には不十分な運動課題かもしれない.
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