研究課題/領域番号 |
25350645
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
浅田 啓嗣 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (10440851)
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研究分担者 |
小泉 宗久 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80382307)
渡邊 晶規 名古屋学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60460549)
北岡 ひとみ 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助教 (00410936)
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 特任教授 (00033358)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メカニカルストレス / 変形性膝関節症 / 滑膜 / 軟骨 |
研究実績の概要 |
今年度は、実験動物ラットを用いた変形性関節症(以下、OA)モデルの検討を中心にすすめた。先行研究を参考にし、本研究に適したOAモデルを同定することを目的とした。強制走行によるモデルにおいては、先行研究以上の走行負荷を加えるものの、OA様の変化を十分に観察することが出来なかった。次に外科的介入を用いたモデルにおいては、内側側副靭帯切除、内側半月板切除、前十字靭帯切除の3段階で関節不安定性を調整して検証し、あわせて週齢による違いも検証した。その結果、前十字靭帯切除モデルでは週齢に関わらず大腿骨側で軟骨層を認めないEburnationが観察された。脛骨側軟骨で部分的に軟骨細胞の再生所見を認めたが、この所見は9週齢で活発であり、その他の週齢においてはごくわずかに認める程度であった。半月板切除モデルでは前十字靭帯切除モデルと比べ、15週齢では軽微な変化であったものの9週齢では脛骨側の軟骨損傷も強く、より重度な結果を示した。内側側副靭帯切除モデルではいずれの週齢においてもOA様の変化は観察されず、加えて強制走行をさせたモデルにおいても軟骨に著明な変化を認めなかった。 また、ヒトにおける膝蓋大腿関節の病態を把握するため、まず健常人における膝関節の加齢変化をMRIにて分析した。若年者と高齢者の比較において膝蓋骨の挙動には著名な差は見られなかった。加齢にともない膝蓋大腿関節の軟骨量減少が観察された。大腿骨前脂肪体、大腿部筋量の減少も観察され、膝蓋骨位置に影響を与えている可能性が示唆された。 今後、有病者における分析を進めるとともに、動物モデルの同定には膝蓋大腿関節の組織所見を観察する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
滑膜細胞の培養条件の確立に時間がかかっていたため、代替案として滑膜細胞の購入を予定していたが、メーカーの欠品により今年度の購入が困難となった。そのため細胞を使用した実験はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
細胞間相互作用の実験系に関し、滑膜細胞への刺激に対する反応は多様であり、生理的な状態での神経との共培養実験に焦点を絞り進めていく。関節症モデル動物の検討に関しては、自然発症モデルの確立は困難と判断し、侵襲的操作を加えながら、適切なモデル動物確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
滑膜細胞の培養条件の確立に時間がかかっていたため、代替案として滑膜細胞の購入を予定していたが、メーカーの欠品により今年度の購入が困難となった。次年度購入するために費用を繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
購入予定であった細胞および培養関連物品に関し、次年度メーカーが準備でき次第購入する。
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