痙縮やジストニア症例は筋緊張亢進のために代謝機能が亢進していると考え、治療による筋緊張亢進症状の改善が代謝機能にどの程度及ぼすかを呼気ガス分析装置による安静時代謝を計測することにより検討した。安静時代謝を計測した全例で術前安静時代謝は亢進しており、術後は全例低下した。特に痙縮が全身に及ぶ症例では術前計測した安静時代謝が標準化した値よりも1.7倍以上の高値を呈しており、ITB手術後に著明に改善した。代謝機能改善は、痙縮の重症度改善と相関する傾向にあり、術後のITB療法の調整に用いる事ができると考えられた。代謝を標準化した値に近づければよりITB手術のコントロールができる可能性を示唆した。
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