研究成果の概要 |
本研究は実験動物に廃用性筋萎縮を発症させ,萎縮し脆弱となった筋に再び体重負荷させる直前に抗炎症剤を注射した群としない自然治癒群を比較し,萎縮筋に起こる炎症の効果を検討した.両群のヒラメ筋におけるインターロイキン6(IL-6)とミオシン重鎖(MHC)のmRNA発現量をリアルタイムPCR法にて検証したところ,注射群で免疫細胞の遊走が抑制され,IL-6が減少した. また注射群ではMHC遅筋タイプの減少が緩和されたが,MHC速筋タイプは抗炎症剤による影響を認めなかった.これにはIL-6以外のサイトカイン関与が疑われた.本研究より回復過程初期における炎症抑制は回復を促す可能性が示唆された.
|