研究課題/領域番号 |
25350652
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
西井 康恵 畿央大学, 健康科学部, 助手 (50461207)
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研究分担者 |
峯松 亮 畿央大学, 健康科学部, 教授 (50368601)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 骨形態計測 / 磁場 |
研究実績の概要 |
(平成26年度における研究実施内容)ラットに次の手術を行った。(1)OVX+MAGNET群:卵巣摘出と右後肢膝関節に磁石埋没(2)OVX+STAINLESS群:卵巣摘出と右後肢にステンレス円盤埋没(3)SHAM+STAINLESS群:卵巣摘出のSHAM術と右後肢にステンレス円盤埋没。右側のみに磁石または同サイズのステンレス円盤を埋没することにより両側後肢に平等に体重を荷重せず、異物のない左側後肢中心に荷重する傾向になることを避けるため、3群全ての左側後肢には磁石と同じサイズのステンレス円盤を埋没させた。以上全てのラットにおいて術後に化膿や、縫合部の離開は生じず、再度の埋没術を行うこともなく経過は良好であった。解剖の前に骨形成面に沈着するテトラサイクリンとカルセインを皮下注射して骨標識を行い、磁石埋没後140日目におけるラットの骨を安楽死処置後に摘出した。同時に大腿直筋とヒラメ筋を摘出して組織学的分析のため標本作製した。摘出した骨のCT撮影を行い、得られた画像より骨の微細構造を解析した。その後、骨を樹脂包埋し、まずは脛骨関心領域の切片作製を行った。 (平成26年度における分析の結果)卵巣摘出を行ったOVX+MAGNET群とOVX+STAINLESS群ではSHAM+STAINLES群に比して術後3週から有意に体重が増加していた。これは、卵巣摘出術が適切に行われたことを示唆する。CT画像の解析により、OVX+MAGNET群の脛骨では、OVX+STAINLESS群に比して海綿骨量(bone volume/tissue volume,%)は多く残存していたが有意差は得られなかった。しかし、骨梁幅(trabecular width,μm)と骨粗鬆症の指標であるstar volume(trabecular star volume,mm3)においては、OVX+MAGNET群はOVX+STAINLESS群と比べて、有意に高い値であり、卵巣摘出によって生じた骨粗鬆症は静磁場によって骨梁幅が広い状態でより多く残存していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験が終了し、骨のCT撮影、切片作製も一部終了しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今回の実験において卵巣摘出による骨量減少は、静磁場によって完全に抑制されなかったが、骨量は静磁場環境下の群でより多く残存していた。これが骨形成の亢進によるものか、骨吸収の抑制によるものかを今回の研究結果から解明することができると思われる。しかし、今後は静磁場による骨芽細胞への影響を解析するためin vitro実験でも更なる検討を行う必要があると思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
翌年度分として請求した助成金と合わせて、ELISA測定キット(オステオカルシン1kit\149,000等)を購入することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
ELISA測定を行う
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