研究課題/領域番号 |
25350658
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小峰 秀彦 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員j (10392614)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 血圧 / 運動 / 動脈血圧反射 |
研究実績の概要 |
昨年度作成した血圧調節機能を調べる装置ならびにプログラムを用いて、血圧調節に関する実験を行った。具体的には、頸動脈に存在する血圧反射受容器と、大動脈弓に存在する血圧反射受容器が血管・血圧調節に果たす役割の違いを検討した。特に、それぞれの血圧反射受容器が、大動脈から先の全身の血管調節と、脳血管調節に対してどのような影響があるかについて検討した。 末梢で計測した動脈血圧の値をモニタリングし、変化した血圧に対応する圧力を頸部カラーにフィードバックして、頸動脈圧受容器を刺激する圧力を一定に保った。動脈血圧を低下させて、頸動脈圧受容器には刺激を加えず、大動脈弓圧受容器のみを刺激すると、動脈血圧反射応答としての心拍数の上昇がみられた。心拍数変化に対する血圧変化を算出して動脈血圧反射感受性を評価すると、大動脈圧受容器のみが機能する場合の動脈血圧反射感受性は、頸動脈圧受容器と大動脈圧受容器の両方が機能する場合と比較して、約5割程度に低下した。この結果は、頸動脈圧受容器と大動脈弓圧受容器は心拍数制御に対して同程度の寄与度を持つ可能性を示唆する。 また、末梢で計測した動脈血圧の値をモニタリングし、変化した血圧に対応する圧力を頸部カラーにフィードバックして頸動脈圧受容器を刺激する圧力を一定に保ちながら脳血流(中大脳動脈血流速度)を計測した。頸部カラーに血圧変化分の圧フィードバックを加えない場合にみられた脳血管応答は、頸部カラーに圧フィードバックを加えると消失した。この結果は、頸動脈圧受容器が脳血管制御に対して重要な働きを持つことを示唆する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
血圧受容器を制御する装置を完成させ、血圧制御メカニズムを解明する1つの結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
作成した頸部陰圧用圧圧刺激装置を用いて、より詳細な血圧制御メカニズムを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を想定していた機器が他の機器で代用できたことと、次年度実施する実験で必要な物品購入費にあてるため
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次年度使用額の使用計画 |
次年度、血圧調節制御メカニズムを解明する実験実施する。その際に必要な機器を購入する。
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