研究実績の概要 |
本研究の目的は以下の3点である.①リハ医療に導入された「質の評価に用いる指標」について,指標に関わる因子間の交絡などを考慮したうえで信頼性と妥当性を検証することである.②現在のP4Pの基準で評価されたデータの結果と,リハ専門家が臨床的に評価する「医療の質」との一致性を検証することである.③総合的に「質の評価」指標の病院間比較を行い,「質の評価」が医療の質の向上に与える影響を検討することである(ベンチマークの可能性の検討). 平成25年から日本とP4Pをすでに導入しているイギリスや,メディケアへの導入を行っているアメリカなどにおける先行研究を収集し検討・考察を行っている. 平成26年度は,①平成25年度に開発した退院時アウトカムの予測式の検討および,その予測式を適用したデータを新たに収集し,分析を行ってきた.交絡を考慮した多変量解析モデルを用いた指標による(予測値を持って実測値との差を検証する)医療の質や効率を病院間に差があるかどうかを検討した.今後,各病院間のベンチマークの可能性を検討する. ②リハビリテーションの医療の質を評価する指標の間に差があるかどうかを検討した.医療の質と効率性の評価指標の信頼性と妥当性を検証するために, 構造(人材配置, 施設等),過程(訓練時間, 訓練量),結果(ADL改善率, 自宅退院等)の3つの視点から質の評価項目を設定し,これらの交絡を考慮した上で,厚労省が導入した「医療の質評価」指標の妥当性を検証した.
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