研究課題/領域番号 |
25350662
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
小北 麻記子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00389694)
|
研究分担者 |
大西 謙吾 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (70336254)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | デザイン論 / 義肢装具 / 国際情報交換 カナダ / 発達医学 |
研究概要 |
本年度は,計画通り,医学的知見の調査と整理,素材の検討と試作,知見の提供と位置づけ,身体との関係性についての評価,デザイン科学に基づく指針の検討を行った. 幼児用義手の臨床実績が豊富なカナダ・トロントのHolland Bloorview Kids Rehabilitation Hospital 義肢装具プログラムの視察を行い,義手の作業療法,フィッティング,ソケット製作の過程の見学とインタビューを行い,義手処方のチームアプローチについて知見をえた.また,同プログラムの作業療法士,義肢装具士と先天的片側前腕欠損を有する乳幼児の早期義手装着について議論を行い,乳幼児にとってのソケット装着の快適性や保護者が乳幼児義手に求める意味などのデザイン課題について意見交換を行った. 視察結果をもとに連携研究者との議論をもとに,乳幼児の義手の触知覚を通じたボディイメージの形成,義手を装着しての運動の発達を促すことを目的とし,仰臥位において義手で顔や健手と触れることによる触知覚や,義手を動かす際の慣性や環境との接触にともなう固有受容覚が発達するための義手の手先具とソケットの材質,形状等の機能・仕様を定め,第一次試作に着手した.また,保護者や関係者の義手への理解向上を目的とし,家庭で自作できる遊び用簡易義手としてPETボトルソケットの製作法を考案した. なお,推進にあたって設けた会議・打ち合わせについては,計画に記載の通りの連携研究者に加え、協力者として義手装着当事者幼児およびその保護者と研究代表者および共同研究者の指導学生が参加している.また,助言者として,京都大学等から情報学やシステム論の研究者,義肢装具士、作業療法士、小児義肢に関係する医師および厚労省,経産省職員等からの協力を得た。適宜必要な協力者,助言者を得たことによって,より現実的で実用性の高い進捗となった. 以上
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的に記載している今年度に関わる観点としては次がある. [1] エビデンス(医療×ユーザ),[2] ものづくり(工学×装具制作技術×デザイン論),[3] 意義の明文化(客体化),[4] 当事者の心理をふまえたデザイン(指針の策定) 項目ごとの達成度としては[2][3][4]については上記概要のとおり計画以上の進捗を得ているといえるが,[1]については,この項目を担う連携研究者の妊娠,出産等の事情が生じたため計画以上の進捗とは言えないことから区分(2)おおむね順調に進展しているを選択した.但,当該研究者はすでに復職しており,計画に支障を生じる状況ではない. 以上
|
今後の研究の推進方策 |
おおむね順調であるため当初計画の通り進める予定である。 とくに2014年度については、次の通り。 第一に,今年度はとくに試作に重きをおくべき年であるので,その進捗に努めたい.第二に,この研究成果の実用化を視野に入れたうえで早期に取り組みべきことの洗い出しを行い,情報収集やネットワーク作りを進めるとともに,関連する仕組み,組織との相互協力の関係を構築したい.第三に,再来年度に進捗させるべき試作の評価に向けての方法の検討を開始したい. 2015年度は,試作の洗練と次段階課題の整理、評価を行う予定である. 以上
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究協力者に支払う旅費が見積もりよりも低くなったため. 少額であるため、関東在住協力者のための旅費もしくは消耗品(試作の材料費)に充てたい.
|