研究実績の概要 |
本年度も引き続きモバイルアームシステムのインタフェース部の作成を中心に研究を実施した。モバイルアームの制御を目的に、健常被験者の脳波測定、解析、判別率と、画像処理手法による把持対象物の位置座標検出に関する検討を行った。 まず健常被験者4名に2種類の視覚刺激を提示した際の脳波を測定した。その脳波データにおいて、事象関連電位P300,P200,N200,N100に着目し、それぞれの時間範囲を設け、その範囲内における平均値を事象関連電位の代表値とした場合の解析を実施した。パラメータの抽出には、主成分分析、サポートベクターマシンを利用した。その結果、4名の被験者の平均判別率が75.5%となり、昨年度に得られた判別率よりも若干改善できた。 次に健常被験者1名に4種類の視覚刺激を提示した際の脳波を測定した。その脳波データにおいて、事象関連電位P300とN100に着目し、それぞれの時間範囲を設け、その範囲内において特徴を有する電極とパラメータの抽出を行い、ニューラルネットワークを用いてその判別率を調べた。その結果、4種類の平均判別率が56.7%(最高80.0%,最低33.3%)となった。 またモバイルアームの手先付近に固定したWebカメラを利用し、画像処理手法を用いた際の把持対象物の位置座標の算出を行った。その結果、把持対象物として、チキンから揚げを用いた場合には、数ミリ以内の誤差でその位置座標の検出を行えることが示された。
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