研究課題/領域番号 |
25350672
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
齋藤 直樹 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (60315645)
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研究分担者 |
佐藤 俊之 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (40315635)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 空気圧人工筋肉 / 体重免荷 / 耐久性 |
研究概要 |
ラバーレス人工筋の耐久性について検討を行った.当初の計画では耐圧性を重視したが,その準備段階として,アクチュエータとしての基本性能を向上させるため,収縮回数の耐久性について考察,改良を行った.この結果,収縮回数は従来の300回程度から約43000回と大幅に向上した.この改良の中では,高耐久性素材としてポリエステル繊維とポリエチレンシートとケブラー繊維の複合材を用いており,従来のアルミニウム蒸着ポリエステルシートに比べて引っ張り強度が大きく向上している.これにより,耐圧性も含めた耐久性が向上している.耐圧性の評価については現在実施中である. 人工筋体重免荷システムの制御として,簡易一軸人工筋リフトの制御を行った.XYロボットから吊るした1本の人工筋で,垂直方向の外力を一定に保つ制御系を構築した.この実験では歩行中の体重免荷を想定しており,歩行による体の上下動に連動して膝にかかる負荷トルクを一定にすることが目的である.このことから,人工筋リフトにおもりを吊り下げ,そのおもりに手動で外力を加え,人工筋の伸縮動作によって負荷を一定に保つ動作を行った.人工筋の収縮量制御により,負荷を一定に保つ動作が概ね良好に行われていることを確認した.一方で,空気圧人工筋のもつコンプライアンス特性も,体重免荷におけるパッシブな柔らかさの点で有効な特性であると考えているが,この点についての評価はまだなされていない.また,収縮量制御に関しても,応答速度の面で更なる改良が必要であることが分かったため,現在も継続して取り組んでいる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人工筋の耐久性について良好な結果が得られており,あとは正確に評価を行う段階である. 人工筋制御実験検証装置について,XYロボットの製作および制御は概ね完了しており,水平方向外力検出機構の検討に着手している.このことから,ハードウェア面の整備は順調に進行している. 一軸人工筋リフトの垂直方向制御も,現在追加検討中であるものの概ね良好な結果は得られている. これらのことから,概ね当初の計画通りと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
人工筋の耐圧性評価と人工筋リフトの応答速度の改良について,継続して取り組む. 水平方向外力検出機構を早急に考案し,実験装置に実装して,XYロボットとの連動動作を実現する. 人の歩行における動作解析を行い,人工筋リフトに加える外力の大きさや周期等の条件を決定し,構築した制御系での対応について評価する.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者が購入した物品(FAコントローラとセンサ)を研究分担者と共同利用して研究することにより,支出額がおさえられたため. 次年度予算と合算して,動ひずみ測定器の購入に充てる予定である.
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