研究課題/領域番号 |
25350674
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
米津 亮 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (50363859)
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研究分担者 |
野中 紘士 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (00565327)
片岡 正教 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (60611910)
中川 智皓 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70582336)
新谷 篤彦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90295725)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 障がい児・者 / 平衡機能 / リハビリテーション機器 |
研究概要 |
本研究の目的は,リハビリテーション学的知見と工学的知見を融合し,障がい児・者の平衡機能を高めることができる新たなリハビリテーション機器を開発することである。そのため,平成25年度においては障がい児・者の座位でのリーチ動作を焦点に動作解析を行い,その運動学的特徴を把握するための基礎データの収集を計画した。 そして平成25年度においては,健常成人と脳性まひ児・者を対象に前方へのリーチ動作の動作解析を実施した。特に,健常成人において動作の所要速度を一定にしたうえで,障がい児・者の座位姿勢を模倣する予備的解析実験を行い,座位での体幹部の姿勢の違いにおける関節運動や重心移動および下肢の筋電図学的解析からその影響を検討した。この予備研究の結果,健常成人においても姿勢の違いにより,重心移動が制限され,正常とは異なる関節運動が出現し,下肢の筋活動において過剰な筋収縮を認める部位の特定に至った。さらに,計測した動作を基に人間モデルを構築し,全身の筋活動について推定する筋・骨格筋力学的モデルを構築した。このような取り組みから,障がい児・者の平衡機能を促進するための運動学的特徴について一定の見解を得るに至った。なお,これらの研究成果については,平成25年度において複数の国内学会にて演題発表を終了しており,さらに平成26年7月にイタリアで開催される国際学会に演題発表が内定している。 平成26年度においては,記録した脳性まひ児・者の解析作業を進め,さらに障がい児・者の運動学的特徴を明らかにしたうえで,最も効率的に平衡機能を高めることが可能なリハビリテーション機器の制御システムを構築し,機器の試作に移行したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に計画した障がい児・者の基礎データを得るための予備計測を無事実施し,その運動学的特徴について一定の見解を得たことは今後の研究を展開するうえで有益な情報と考えている。さらに,健常成人ではあるが,人間モデルの構築から全身の筋活動を推定する筋・骨格筋力学的モデルの構築に至ったことは大きな成果ととらえている。そのうえで,国内外の学会発表に至っていることで,おおむね順調に研究は展開できていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,さらに障がい児・者のリーチ動作時の運動学的特徴について解析を進め,平衡機能を高めるためのメカニズムの解明に努める。そのうえで,開発しようとするリハビリテーション機器の制御システムを構築したうえで機器の試作に移行し,研究目的の達成に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の当初の研究計画より,障がい児・者での研究計測に伴う旅費および人件費・謝金およびその他経費の発生が少なくなった。このことで,次年度使用額が生じる結果となった。 今回発生した使用額については,平成26年度に障がい児・者における研究計測に伴う旅費,人件費・謝金およびその他の経費として執行する。
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