研究課題/領域番号 |
25350675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
前田 秀彦 北海道医療大学, 公私立大学の部局等, 助教 (90632604)
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研究分担者 |
西澤 典子 北海道医療大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10374266)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 骨固定型補聴器 / 振動ピックアップ / 直接骨導 / 骨導マイクロホン / 食道音声 / 携帯型拡声器 |
研究概要 |
当該年度の実績は、較正用頭蓋加振系の出力フォースレベルの測定を終了したことである.較正用加振音源でオージオメータ骨導受話器を駆動し、出力を10dBステップで増加させていったときの、骨導受話器からの出力フォースレベル(dB re μN)を測定した.125から4000Hzまでの入力では、ほぼ線形な入出力関係が保たれていることがわかった.また、入力の相対値40dBに対する頭蓋振動はフォースレベルで89.3dB reμNと計測されていた.これは、JIS規格における聴力レベル等価値で45.8dBHLに相当する.さらに被験者2名によるlive headを用いた頭蓋振動ピックアップの利得測定を終了した.前述のように1000Hzにおける入力レベル相対値40dBは骨導受話器の出力フォースレベルで89.3dB re μN(-30.7dBreN)となり、このときの頭蓋振動加速度は、被験者1で-31.74dB re m/ss 被験者2で-32.78dBre m/ssとなるから、1000Hzにおける頭蓋振動ピックアップの利得は被験者1で-1.04dB(re 1kg-1)被験者2で-2.08dB(re 1kg-1)と計算された.今回行った骨伝導マイクロホン系の利得測定は、骨伝導マイクロホンの利得を頭蓋に加えられた振動フォースレベルに対するピックアップで検知された振動加速度の比で計測するものであり、研究者らによってはじめて提唱された.本研究において構築した骨導音声ピックアップの利得測定システムは、今後骨固定型骨伝導マイクロホンの開発過程において、周波数応答性と音声増幅機能を測定する基本的なツールとなる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
較正用頭蓋加振系の出力フォースレベルの測定を終了したが、Bahaインプラントを挿入した被験者に対する、騒音負荷状況下における音声導出実験が完了していないため.
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今後の研究の推進方策 |
既にBahaインプラント挿入者を被験者とした騒音環境状況下における音声導出実験を準備中である.導出実験後は速やかに、検出された音声を用いた語音聴取実験を行う予定である.また、Bahaインプラント挿入者の実数が少ないため、直接骨導音導出部位の再検討を視野に入れている.
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次年度の研究費の使用計画 |
インプラント装用者に対する実験が終了していない.また、実験終了後に行われる、聴取実験も終了していないため、謝金・人件費関連の支出が発生していないため. 昨年度の物品費、謝金・人件費の残額分については、語音聴取実験用のスピーカーなどの購入、また、骨導音導出部位の見直しに対応できる測定機器の購入に利用する.今年度分については、主に実験遂行に伴う謝金・人件費、論文投稿に関る費用、学会発表等の旅費に使用する.
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